かわいいきりちゃん。
忍たまのきりちゃんメインのブログです。
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俺ってデリケート
「よう!」
夕暮れの町で半助は見知った顔にあった。
「大木先生、どうされたんですか?」
「こんな所に畑仕事に来る奴はいねーだろうなぁ」
「ああ、買い物ですよね」

自分だってそうだったと思い出して半助は笑った。人は大人になるたびにこうした形どおりの事を聞いてしまうのか。もし、きり丸ならなんてきいただろう?そう思ったが残念ながらきり丸は夢の中である。今日は、海に遊びに行って来たのでお疲れなのだ。きり丸のお相手をしてくれた兵庫水軍の網問はきり丸以上にお疲れだろうけど。
「せっかく会ったんだ、どこかで一杯、やっていこうぜ?」
せっかくの嬉しいお誘いだが、そう言うわけにはいかない。きり丸がいるのである。疲れて眠ってしまったきり丸を酒場に連れて行くわけにはいかないのだ。もっとも、起きていても連れて行く気はないのだけど。
「無理ですよ。チビがいるんですから」
半助は背中で眠っているきり丸を見せて言った。さすがの大木も寝ている子供連れでは諦めるしかない。しかし、未練たっぷりに
「座敷に寝かしときゃ、起きないんじゃないか?」
なんて言っている。
「ダメですよ。子供なんだから。酒場には連れて行けませんよ」
「せっかく楽しい酒が飲めると思ったんだがな」

いかにも残念そうに言う大木。そんな大木に半助は申し訳ない気持ちと、自分と飲むのを楽しみにしていてくれる事にありがたい気持ちになった。
「では、うちに来て飲んでいきませんか?」
「おっ!いいなぁ」

大木は手を叩いて賛成し、道中に酒や、つまみを買って行こうと言い出した。
『えらく本格的に飲むつもりだなぁ』
海に行ってお疲れの半助は招待した事を早くも後悔した。大木が家に来て宴会となった場合はたいてい、明け方まで続いてしまう。そして、大木自身はゆっくりと朝寝をして帰るが、半助はそうは行かないのだ。きり丸に朝ご飯を作ってやらないといけないし、洗濯だってしないといけない身なのだ。二日酔いなんて理由で寝ていたらきり丸にどれほど叱られることか。
 結局、家に帰り着くまでに大木は数種類の酒とつまみを用意した。
「今夜はゆっくりと腰を落ち着けて飲むか!」
今夜はなんて言っているがいつだってそうじゃないか?と心で突っ込む半助。
「大木先生、飲む前にきり丸を寝かしたいんでちょっとお願いできます?」
そう言って背中のきり丸を大木に預けて、布団を敷いた。いくら寒い季節ではないといっても板の間に寝かすのはかわいそうである。
「大木先生、そのままこっちに連れてきてください」
大木は普段、半助がするよりもずっと乱暴にきり丸を扱う。半助は眉を寄せて
「そっと置いてくださいよ」
と抗議した。大木はニヤッと笑い
「過保護だな」
言われなくても知っている過保護を指摘されてしまった。そして、半助が忠告したにもかかわらず、大木はきり丸を布団に寝かせる時に、ごちっと頭を打たせた。
「ちょっと!」
半助は慌ててきり丸の頭を撫でたが、きり丸自身はよく眠っている。痛くなかったのか半助に撫でられて、寝ながらにっこりと笑った。
それから、二人はそっと部屋を移動し、ふすまを閉めた。
酒が入るとすぐに大木は半助の過保護振りをさかなにし始めた。
「あんた、いつもああかい?」
「ああってどうですか?」
「過保護だってことさ」

この後、半助はグダグダと過保護に対する言い訳をしたが、最後はやっぱり
「過保護だな、あんた」
と締めくくられてしまった。実際に半助はきり丸がかわいくて仕方ない。だから、自分でも気を付けているつもりだが、きり丸以外の人から過保護だ、過保護だと言われてしまう。きり丸自身は
「先生がもうちょっと優しかったらいいのに」
なんて抗議を受ける事もあるくらいなのに。まぁ、具体的にどんな風に優しくしてほしいの?と聞けば呆れることを言っていたが。
「おやつをいっぱいくれて、いつもだっこしてくれて、宿題も手伝ってくれて、怒らなくって、おしりもたたかなくって、バイトも手伝ってくれてぇ」
と、永遠に自分の都合のいいことばかり。きり丸の言うとおりにいていたら過保護どころじゃすまない。
「でもね、子供には愛情が必要なんですよ」
「充分なんじゃねーの?それはよ」

大木は普段、生意気で余計な事ばかり言っているきり丸を思い出して言う。あんな風に思った事を口になんだって出せるのは自分が愛されている事を感じている子供なのだ。
「まぁ、子育てには飴とムチッていうか。三つ叱って一つほめって言うか」
半助は実際には三つ叱って一つ誉めと言うのを実践している自信はない。どちらかと言うと「一つ叱って三つ誉め」の方が近いのだ。
「あんた、そんなに厳しくしてないだろ!」
大木が笑いながら言ったところでふすまが開いた。
「もう!うるさいなぁ!!」
きり丸が起きてきたのだ。酒に酔った二人が大声で話したり笑ったりするので目が覚めたのだろう。
「きり丸。こっち、おいで」
そう言って半助は自分の膝をポンポンと叩いた。きり丸は目をこすりながら、半助の膝にちょこんと座る。そして、初めて大木に気が付いた。
「あれ?大木先生、いたの?どうりて!」
まだ、目は半開きながら生意気な口調は眠っていないようだった。
「どうりて、なんだい?」
大木が聞いてみると、きり丸は怒った顔を作って言った。
「う・る・さ・い・と思った!」
こんな言い回しもやっぱり生意気で大木も笑ってしまった。
「そんなにうるさくなかったろ?」
半助が、このままではますます生意気な事をいいそうなきり丸に言ってみると、きり丸はこれまた生意気なポーズで、人差し指を立てて、小さくふりながら
「ち・ち・ち!」
本当は舌を鳴らすべきところなのだけど、舌を鳴らせないので口で言っている、きり丸に違うとわかっているのに
「おしっこか?」
とからかってやった。
「違うよ!」
きり丸はせっかく大人っぽいと思ってる仕草をして見せたのに「おしっこか?」なんて子ども扱いされて怒ってる。そんな顔はやっぱりかわいくて
「なーんだ、ち~って言うからおしっこかと思ったよ」
とついついからかってしまう。
「ち~じゃないの!ち・ち・ち!」
お冠のきり丸。
「じゃあ、何がち・ち・ちなの?」
話が脱線してすっかり忘れていた。きり丸は再び、ち・ち・ち!とやって見せて
「俺はデリケートだからちょっとの音でも起きちゃうの!」
これには半助も大木も笑ってしまった。
きり丸は、町で半助と大木が会ってから今までずっと寝ていた。その間に、半助と大木はうるさい町中で買い物をし、家に帰り、きり丸を布団に寝かせ、宴会をしていたのである。しかも、布団に寝かすときには軽くとはいえ、頭を打たせた。それでも寝ていたのに「デリケート」と言われても。
大笑いする二人に気を悪くしたきり丸は
「なんで、笑うの?」
と膨れっ面。そんな、膨れっ面もかわいくてやっぱり笑ってしまう気の悪い大人達。
「そっか、デリケートなんだ!」
「家が燃えても寝ているタイプだと思ったけどな」

なんだか失礼な二人。そんな二人にきり丸はキッパリと言い放った。
「俺ってデリケートなのよ!布団が変わっても寝れないの!」
この微妙に間違った言い回しが、また面白かった。
「それは枕が変わったらって言うんだぞ!」
大木がそう言えば、半助も笑いながら
「枕どころか、どこでも寝ちゃうくせに」
なんて言ってる。すっかり、へそを曲げたきり丸は半助の太ももをぎゅっとつねって、目の前にあった酒瓶のフタを大木に投げつけた。
「二人とも笑わないで!!」






あとがきです。
この前、風鬼親子のケンカのアニメがありましたね~
あの時のきりちゃんはなんだかせつなかったです。
「俺はよくわからないけど」
って、前置きがなんとも言えず・・・
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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