かわいいきりちゃん。
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ケンカの理由
今日も胃の痛くなる作業をしている半助。仕事の中でもっとも過酷な重労働。それはテストの丸つけ。
『どうやったらこんな簡単なテストでこんな点数を・・・』
胃が痛くなってくる。そんな胃の痛い半助の元へまた、問題を持ち込む者がやってくる。今日は泣きべそだ。
「きり丸、どうした?」
きり丸が半助の自室にやってくる時はたいてい、泣きべそか、怒り心頭で来る。つまりはなにか問題があってやってくるのだ。
「団蔵がぁ~」
「団蔵とケンカしたのか?」

きり丸は頷いた。確かに、きり丸も団蔵もケンカっ早い。それでも、団蔵はきり丸には優しくって滅多にケンカにならないのが通常だ。それでも、ケンカになったというのは一体、きり丸は何をしたのだろう。きり丸が泣きべそって事はきり丸が何かして団蔵が怒ったのだろう。
「なんでケンカになったんだ?」
「わかんない・・・」

きり丸は泣きながら答える。
「わかんないって事はないだろ?」
「だって、団蔵がいきなり怒ってきり丸なんて嫌いって言ったんだ・・・」

団蔵に嫌いと言われたのが悲しくて半助の元へやってきたらしい。察するにきり丸の悪意のない何かしらの言動に団蔵は腹を立てたのだろう。原因がわからない限り、半助だって口は挟めない。わかっても、挟まないほうがいいのだろうし。
「団蔵に聞いておいで。なんで怒ったのか?」
「団蔵、怒ってるもん。聞けないもん」

どうやら団蔵は本気で怒っているらしい。いつもは元気者のきり丸も圧倒される勢いで怒っているらしい。
きり丸はメソメソと半助の膝に乗って泣き出した。自分は何もしていないのに、友達の団蔵から「きり丸なんて嫌い」と言われるのは辛い。
「あんな怒ったの初めてだもん・・・」
「わかった、わかった。明日になっても団蔵が怒っていたら私から聞いてやるから」

自分でも甘いなと思ったが、そう言ってやる以外には解決法がなさそうだ。さっぱりした性格の団蔵の事だから、明日になればケロッとしているかも知れない。半助はそれを願いながら、きり丸の背中をトントンとたたいてやった。
「ホント?」
「ああ、だから今日はもう部屋に帰りなさい」

きり丸は安心したように笑って帰っていった。半助が団蔵に聞いてくれるなら安心だ。これで、団蔵が何に怒ったのかも分かるし、分かれば謝る事もできる。そうすれば、仲直りもできるだろう。
『先生に話してよかった』

翌朝、団蔵とは顔を洗うときにあった。きり丸が行くまでは虎若と楽しそうに話をしていたくせに、きり丸の顔見るなり、
「僕、馬の様子を見てくるよ」
と行ってしまった。
『まだ、怒ってんのかな・・・』
いつもの団蔵なら笑顔で挨拶をしてくれる。それなのに、今日は「おはよう」と言う間もなく去ってしまった。きり丸は団蔵の背中を見ながら、なんだか泣けてきた。別に団蔵だけが友達じゃないけど、やっぱり友達に嫌いと言われるのは10歳のきり丸にはとても辛い事。
「きりちゃん、顔、洗わないの?」
「え?ああ、洗うよ!」

乱太郎に言われて、勢いよく洗う。もう少しで涙が落ちそうになっていたまぶたには、冷たい水が気持ちよかった。きり丸はいつもより、ずっと綺麗に顔を洗った。
「きり丸、水飛ばさないでよ!」
あんまり勢いをつけたものだから、隣の虎若にかかってしまった。
「ごめん・・・」
「あれ?どうしたの?」

素直に謝ったのに変な顔をする虎若。きり丸は泣きそうだった事がばれたのかと焦ったがそうではなさそうだった。
「いつものきり丸なら、ついでに虎若の顔も洗ってあげたんだよとか言っちゃうのに?」
「ははは、そうだよね。きりちゃんは」

虎若の意見に乱太郎が笑って、虎若も笑っている。
「俺っていつもそんなにワガママ?」
きり丸は笑う二人に聞いてみた。虎若に水を飛ばしておいてそんな事を言うなんてワガママだと思った。それなのに、二人はなんで笑ってるんだろう?「いつもは」って事はいつもそんなにワガママだという事で、それなのに誰からも怒られていないのはどういう事か?もしかして、団蔵はこんな自分の度重なるワガママに愛想をつかして怒ったのか?
「きりちゃんはワガママって言うより、そのままって感じ?」
「うん、なんかそう。なんか時々、小さい子みたいって言うか、そのまま」

二人の説明は全くわからない。何なんだ、そのままって。同じ歳なのに小さい子って。
「わかんないよ!」
「う~ん、思った事をそのまま言うって言うか、気持ちと口が一緒って言うか」

虎若は説明しにくそうであった。
「そう言うのをワガママって言うんだよ」
三人が振り返ると半助がいた。
「先生、おはようございます」
乱太郎と虎若は元気に挨拶をした。きり丸はなんだかふて腐れている。
「きりちゃんは別にワガママって事はないと思うよ」
ふて腐れるきり丸に気を使う乱太郎。虎若も頷いている。
「乱太郎たちがそう思うのはきり丸の友達だからさ。友達だから優しい気持ちでみてるだろ?だから、きり丸のワガママにも腹が立たないのさ」
半助の解説にきり丸ははっとする。
『団蔵はもう俺の友達じゃないのかな?』
そんな事を考えると心配顔になっていく。そんな心配顔をみると友達の二人としてやっぱり、心配になる。
「きりちゃん、気にしなくっていいんだよ」
「そうだよ、きり丸だって僕達のワガママを許してくれているんだから。友達だから」

きり丸の心配事を誤解している二人。だけど、半助だけは分かっていた。
「団蔵と仲直りできたのか?」
「・・・・・」

聞かなくっても分かる。そんな表情のきり丸。半助は笑って、きり丸の頭を撫でてやった。それから、そのまま団蔵の元へ行くため去っていった。

「団蔵!」
団蔵は宣言どおりに馬の世話をしていた。わらで体を拭いてやっている。毎朝の日課だ。いつもと違うのは団蔵の表情が険しいという事。
「先生・・・」
朝っぱらから半助が自分のもとへやってきた理由はわかっていた。団蔵は不機嫌難まま顔を向ける。
「そんな怒った顔、するなよ」
「怒ってなんかいません」

誰が見たって怒っている顔でそんな事を言う団蔵。半助は笑いそうになる。きり丸が言っていた「あんな怒ったの初めて」と言うのもあながち大げさな言い方ではなかったらしい。
「怒ってるよ、その顔は。きり丸に怒ってるのか?」
「違いますよ」

機嫌の悪い団蔵は、機嫌の悪さを隠さなかった。そんな団蔵の機嫌の悪さを半助は分かっていたが、あえてかまわなかった。
「嘘つけ」
「嘘じゃありません。最初はきり丸に怒ってました。でも、今は自分に怒ってます」

これは意外な言葉だったが、ものには順序がある。団蔵がなぜ自分に怒っているのか聞くよりも、先にケンカの内容を聞くほうがいいと判断した。それを聞かないと、団蔵の怒りを聞いても理解しにくいだろう。
「きり丸とケンカしたんだって?なんでケンカになったんだよ?」
「きり丸に聞いたんでしょ?」

団蔵の心の内には『何を白々しい』との思いがあった。きっと、ケンカの内容を聞いて「団蔵には関係ないだろう」といいに来たに違いない。
「いや、きり丸はケンカの原因がわからないって泣いてたぞ」
「泣いてた・・・」

これは、団蔵には大打撃。まさか、自分がきり丸を泣かせていたなんて。前の休みにきり丸には悲しい思いをさせないと誓ったのに。それなのに、自分、自ら泣かせていたなんて。
「うん、団蔵に嫌いって言われたってさ」
「泣いてた・・・」

団蔵はきり丸を泣かせてしまった事実から立ち直れない。そんな団蔵の立ち直りを待たずに半助は話を進める。なんていったって、団蔵は「恋敵」なのだからこんな時には、教師としての配慮はいらないだろと思っている。
「なんで嫌いなんて言ったんだ?」
「きり丸が身売りしたらどれくらいで売れるかって聞いてきたんです。僕は身売りなんてしちゃいけないって言ったら、俺の体は俺も物だって言い出して。きり丸は自分が高く売れるなら売りたいって思っているようなんです。でも、僕はそんな事をして欲しくないんです。先生だってそうでしょう?」
「それで嫌いって言ったのか?」

半助にはきり丸がなぜそんな事を言い出したかわかっている。かつて、自分も同じ質問をされたのだ。その時は一喝してやったが、まだ諦めてなかったのか。大人に聞いても無駄と判断したらしい。
「きり丸が俺のことはほっとけなんて言うから、つい・・・」
「身売りねぇ」
「確かにお金を稼ぐのは大変です。でも、後悔するような稼ぎ方はしないほうがいいと思うんです!」

半助は団蔵の真剣さが申し訳なかった。それくらい、団蔵は真剣にきり丸の心配をしている。ありがたい事である。
「そのとおりだな」
「でも、今朝、きり丸が僕になにか言いたそうだったんです。それなのに僕は・・・」
「また嫌いだって言ったのか?」
「いいえ、逃げたんです。きり丸に何か言われるのが怖くて」

うつむく団蔵。団蔵が恐れたきり丸の言葉は「俺だって団蔵が嫌いだ」だろう。この言葉は苦無になって団蔵の胸をえぐるだろう。
「そう言うのを惚れた弱みって言うんだぞ」
「知ってます・・・」

国語の成績はイマイチより悪い成績だが、こんな事はちゃんと知っている。それが、馬借の若旦那。いろんな所へ旅をしている。時にはたった一人で山を越えて、村を越えて、目的地まで荷物を運んでいるのだ。多少、大人の世界に詳しいのも頷ける。
「でも、まぁ、きり丸を許してやれ。きり丸は自分が高く売れるって山賊に言われたのが忘れられないんだよ」
「でも、身売りなんて!先生はいいんですか?」
「良くないさ。でも安心しな。きり丸は高く売れるの意味を知らないんだよ。きっと、何かの労働をすればいい時給がもらえると思っているんだ」

これを聞いて団蔵は今まで手に持っていた藁を落とした。全く、予想だにしなかったことである。まさか、「高く売れる」の「売れる」が何を売るか知らないなんて。それなのに売る気、満満だったなんて。団蔵には信じられなかった。しかし、そう思えば不自然な事も多かった。話の途中で「どれくらい売ればいいんだろ?いや、時間かな?」なんて言っていた。この言葉を団蔵はリアルな想像をしていたが、きり丸は労働時間を言っていたのだ。
「そう言えば、きり丸は一度も身売りって言わなかった・・・」
「その言葉自体を知らないんだ。だから私にも高く売れるってなに?ってしつこく聞いてきたよ。私が教えてやらなかったから、クラスで一番、大人の話を聞いているお前に聞いたんだろ」
「なんだ・・・よかった・・・・」

団蔵は朝からかなりの疲れを感じていたが、心底、良かったと思ってるようだった。
「きり丸と仲直りしてやれよ」
「僕、きり丸に謝ってきます!!」

今なら、馬より早く走れそうな団蔵。とにかく、はやくきり丸と仲直りをしたかった。仲直りをして、一緒に朝ご飯を食べて、朝の授業の前にサッカーをして・・・。こんないつもの日常がすばらしくステキな宝物に見えているようだった。
走り去る団蔵の後ろ姿をみながら、半助は自分を棚に上げて心で呟いた。
『やっぱり、惚れた弱みをもつ男はつらいねぇ』




あとがきです。
今回は若旦那ときりちゃんのお話。
アニメで若旦那は「忍者になる」と言ってましたね~
加藤村はきりちゃんにのっとられるかも知れませんね。
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始めましてこんにちわ。 ブログ始めますがまだ書くことは決まってません。 趣味日記的なものになると思います。 こんちわブログ【2009/05/11 12:53】

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※仰天スクープ※広末涼子の離婚の原因発見!? プッツン女優の広末涼子が離婚の秒読み段階に入っている。 広末涼子は夫と離れて独身時代に住んでいたマンションにもどり、そのマンションには実家の母親が月の半分ほど宿泊していて、子育てを手伝っているのだそうです。 ?... 高島彩&ゆず(北川悠仁)ニャンニャン動画【2010/02/24 17:43】

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Author:となりのゆっち
忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
「友達になってやるか」って心やさしい方募集中です。



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