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廃屋の宝
きり丸はドキドキしていた。
ドキドキの理由はいろいろとあるが一番の理由は宝が手に入るかもしれないと思うからだ。
そのほかにはこれから半助に内緒で出かけるとか、その時間帯はもう寝ていなければならない時間だとか・・・。
『それにしてもさ、どうしてあんな所に宝が埋まっているんだろう・・・』
きり丸は昼間、バイトで聞いた話を思い出す。今日のバイトは茶店でウエイトレスだった。女の子の恰好をしたきり丸は大人気でよく繁盛した。
そんなきり丸に二人の男が声をかけてきたのだ。
「お譲ちゃん、かわいいね」
と。初めは適当に愛想を振っていたのだが
「どうしてこんな小さいのに働いているの?」
と聞かれ
「お金のため」
正直に答えた。そんなきり丸に2人はいい話を教えてあげると耳打ちした。
いい話と聞けば、飛びついてしまう、悲しい習性・・・
2人の男に、町はずれの廃屋にくればもうかると聞かされたのだ。
「町はずれの廃屋?宝でも埋まっているの?」
キョトンとして聞くきり丸に男たちは大いにうなずいた。
そして、その宝は夜でないと掘り出せないと言っていた。
『どうして、夜じゃないとダメなんだろう・・・』
どうにも解せないことが多いが宝と聞いて黙って寝ているわけにはいかないのだ。だって、宝なんだもの。
そんなこんなで今日はうっかりと話してしまわないように気をつけて夕飯を食べた。
「廃屋に行く」
なんて言えば絶対に反対される。昼間でもダメだと言われるであろう場所なのに夜なんて。お許しがでるわけはまずない。100%の確率でダメだと言われる。そうにきまっている。だから、半助には内緒で出かけることにした。
本当は夜に出かけるのは不気味で気が進まないんだけど、そんな事を言っている場合ではない。宝のためなのだ。
布団に入ってから本当に寝入ってしまわないようにするのは大変だった。少しでも気を許すとウトウトとしてくるのだ。それもそのはず、今日も朝からバイトで一生懸命に働いてきたのだから。小さな体はすっかり疲れて睡眠を求めているのだ。だけど、気持ちは宝を求めて頑張っている。
きり丸は半助が寝言っているのを確認した。
『よし、よく寝てるな・・・』
その寝顔は本当によく眠っているようだった。寝顔に自分のほほをくっつけて
「先生、ごめんね。いってきます」
と、謝った。宝のためとはいえ、半助に嘘をつくのは心ぐるしいのだ。
なるべく音をたてないようにして、そっと表に出て行った。
幸い、満月だ。これなら明かりを持たなくても道を歩けそうだし、何より怖くない。
寝間着姿のきり丸は道に生えている猫じゃらしを引っこ抜いて振り回しながら歩いた。春の夜道は案外明るく、気持ちがいい。これから宝が手に入るかと思うと歌でも歌いたい気分になった。
「菜の花畑に、入り日うすれ~」
春にはいい曲だと思っていたが、実際には今は夕暮れでもないし、今日は朧月でもない。それに、菜の花畑も見当たらない。
そんな事はお構いなしに歌いながら歩いていた。
その後ろ姿をじっと見つめる者がいる。もちろん、半助だ。きり丸が寝付いていないことから見抜いていた。いや、夕飯の時から何か隠し事があることすら見抜いていたのだ。
『どこへ行く気だ?』
今すぐにひっ捕まえて連れて帰ってもよかったのだけど、きり丸が何を企んでいるか知りたかった。こんな夜なかに危険を冒してまで出かけるにはお金絡みに違いないのだけど、一体、なんのバイトなのだろう?
『まさかいかがわしいバイトじゃないだろうな?』
半助はきり丸がどんどん町はずれに向かうのを怪しんだ。以前に、山賊から「売れる」と聞いて興味津津だったのだ。今はまだ意味を知らないと思って安心していたが、もしかしてついに意味を理解してしまったのか?それで、「売る」ことにしたのか?
きり丸はまだ小さい、行為の意味がよく分かっていない。そんな事をすれば一生後悔することに気が付いていない。だから半助は怖いのだ。気軽な気持ちで「売る」かもしれないと。
半助がついて来ているなんて夢にも思っていなかったきり丸は相変わらず浮かれた様子で歩いていた。そして、いよいよ廃屋への最後の曲がり角に来た時、立ち止まった。
「あっ・・・」
そこには昼間見た二人が立っていたのだ。
「やぁ、お嬢ちゃん。寝間着姿もかわいいね」
きり丸は少し考えた。そして、わかった。自分の事を女の子だと思っていることを思い出したのだ。
「おうちの人に見つかるから・・・」
女の子だと思ってるのならそれでいい。いちいち説明するのは面倒くさい。
「そう、じゃあ誰にも言わずにきたんだね」
男は嬉しそうだった。
「宝はどこ?」
きり丸も嬉しそうだった。
半助は影で見ていたが、これは嬉しそうではなかった。
「宝?宝はね・・・」
きり丸は男の顔つきになんだか不安を覚えた。
これから何が始まるのかはわからないが危険な事がよくわかった。
「あの・・・宝・・・」
いつもは口ごもったりしないきり丸なのだ。だけど、だけど、なんだかとっても怖かった。自分がだまされたことにも気が付いていた。
「怖がることはないんだよ」
2人の男はきり丸に寄り添うようにして廃屋へ連れ込もうとした。が、突然、右側の男が倒れた。
「え?・・・先生!!!」
次に左側の男が倒れたと思うと、体が宙に浮いた。月明かりに見ると自分を抱いているのは半助である。家で寝ているはずの半助がどうしてここにいて、自分を担ぎあげているのか?
「先生じゃないよ!まったく」
そして、ものすごく怒っている。
それからの帰り道、半助のお説教のくどいことと言ったら。近年の最高記録だ。
いい加減、お説教を聞くのも飽き飽きしてきたきり丸は
「先生、怒ってる?」
と、火を見て熱い?と聞いているような質問をした。
「怒ってるよ!とっても!!」
半助は本気で怒っていたし、今日は誤魔化されなと決めていた。
きり丸は自分の小さな手を半助の手の中に入れてきた。そして、上目使いに
「ねぇ、先生。怒ってもいいし、叩いてもいいから、嫌いにならないでね」
と、本当に可愛い顔で言った。
「・・・・・」
こんなのはきり丸のお説教から逃げる手口だと分かっている。本当に自分に嫌われたと思ったときの顔はこうではない。そんな事は本当によく分かっているのだ。それなのに、それなのに・・・
「ねぇ、お願い」
「嫌いになるわけないだろ・・・」

今夜も誤魔化されてしまう半助だった。





あとがきです。
今回のネタもセディールさんにいただきました。
ありがとうございます。
今回、宝は見つかりませんでした。
それどころか、危険な目に!
でも、大丈夫!
先生が助けてくれるから~
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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