かわいいきりちゃん。
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怖がりを知る方法
「じゃあさ、こんな話しってる?首なしの女の話」
もうすぐ日も落ちるというのにこんなところで幽霊の話なんて聞きたくなかった。だけど、「聞きたくない」
なんて言ったら弱虫と思われてしまう。きり丸は自分の着物の襟をイジイジとしながら聞いていた。
今日は珍しくバイトもなく近所の子供たちと一緒に遊んだ。さんざん走り回ったあと、疲れたので座り込んで話を始めたのだが、どういう訳か幽霊話になってしまったのだ。
『嫌だな・・・こんなところで・・・』
きり丸はちらりと横を見る。そこは墓場である。しかも、古い墓場でめったに人は来ないが幽霊は毎晩出そうな雰囲気なのだ。それなのに、一人が終わるとまた次の子が、次の子が終わるとまた次の子がという具合に次々と話し出すのだ。誰もがこの隣は墓場なのは知っている。だけど、一番に
「怖いからやめよう」
なんて言えないのだ。そんな事を言ったらあっと言う間に弱虫のレッテルを貼られてしまう。みんなびくびく怯えながら話、それを聞いている。
「次、きりちゃんだよ」
いよいよきり丸の番になってしまった。きり丸は団蔵に聞いたとっておきを話そうと決めていた。人の話を聞くより自分で話す方が怖くない。きり丸はそう自分に言い聞かせ話し始めた。
「ごはんよぉ」
が、話の冒頭ですぐに誰かの母親が呼びにきた。それを合図のように母親はかわるがわるにやってきてわが子の手を引いて帰って行く。
そして、きり丸にももちろん迎えが来る。母親ではないが、きり丸が夕方に外に出れば必ず迎えに来てくれる。それが半助だ。
「きり丸、帰ろっか?」
「うん!!」

きり丸は右手でしっかりと半助の手を握る。そして左手でまだ座り込んでいる子たちに手を振った。
「バイバイ」
「きりちゃん、バイバイ」

半助も隣で「また遊んでやってね」などと言いながら手を振った。25歳の男なのだけど、そんな仕草はよそのお母さんと同じだった。
きり丸はすこしおかしくなって笑った。
その笑いの意味がわからない半助は「ん?」ときり丸を見る。
「へへへ、だって先生、お母ちゃんみたいだもん」
少し照れたような笑い方をしながら言う。
「お母ちゃんかぁ。そうだなぁ、そうかもしれないなぁ」
半助はのんびりと言った。そののんびりした口調がきり丸は好きだった。学校ではほとんど聞けない口調。それだけになんだか自分が独占しているような気がして嬉しいのだ。
「今日は何して遊んだんだい?」
半助は半助できり丸が年相応によその子と遊ぶのがうれしかった。いつもバイトや内職ばかりに追われている。それはそれでいいのだが、たまにはこうしてのんびりとしてほしかった。
「鬼ごっこ。お墓のところでさ」
「ふぅん。お墓で鬼ごっこなんてしたら怒られるぞ」
「だれによ?」

普通は墓守に怒られるのだけど、あそこの墓場はもう墓守もいない。だから怒られはしない。半助はちょっとからかってやることにした。
「幽霊さ」
「うっそだ~。幽霊なんていなかったよ」

きり丸は笑いながら言った。本当に墓場で鬼ごっこをしていたのだが幽霊なんていなかった。
「それはお昼だかさ。幽霊は夜に怒ってくるんだよ」
「・・・首なしの女の幽霊?」

先ほどの話を思い出し不安そうな顔になる。だけど、半助はきり丸が幽霊の話をしていたなんて知らない。
「なんだい?それ?」
「こうちゃんが言ってたんだ。首なしの女の幽霊が来る話・・・」

きり丸はさっき幽霊の話をしていたことを半助に告げた。特にこの「こうちゃんの首なしの女の幽霊」の話が怖かったことも。
話している間、きり丸は強く半助の手を握り締めた。
「お馬鹿さんだなぁ。怖いなら聞かなきゃいいのに」
「だって、そんな事したら弱虫って言われちゃうよ」

口を尖らせた。
「みんなだって怖かったかもしれないよ」
「でも、誰もやめようって言わないんだからさ。それに誰が怖がってるかなんてわからないじゃない」

あの時、誰かがやめようって言ってくれればよかったのにときり丸はブツブツ言う。半助はきり丸を抱き上げて
「だれが怖がってるってわかる方法を教えてあげようか」
と、いたずらっぽく囁いた。
「そんなの分かるの?」
驚いて目を見張る。
「うん。明日ね、お布団干している子が怖がってた子だよ」
せっかく教えてもらって意味がわからない。きょとんとして首をかしげると半助は笑いだす。
「わからないか?」
「うん」

本当にさっぱりわからない。
「きり丸も怖かったんだろ?」
今度は逆に半助が聞いてきた。この質問に正直に答えるのは悔しいけど、半助の「だれが怖がっているかを知る方法」の答えがすごく知りたい。知りたいから素直に返事をした。
「・・・・うん。ちょっとね」
「だったら、明日の朝、わかるさ」
「?明日?明日まで待たないとダメなの?」

やっぱり意味がわからないきり丸は「ねぇ、ねぇ」と半助を揺さぶっていたが半助は笑うばかりで答えてくれない。その代わり夕陽を見て
「きれいだな。明日もいい天気でなによりさ」
なんて言っている。
結局、半助の言っている意味はわからなかったけど、夕陽がきれいだからいいやなんて思った。
『それに明日になればわかるらしいし』
きり丸も半助を真似して目をぐっと細くした。



あとがきです。
今回のお話もセディールさんがネタをくれました。
ありがとうございます。

さて、みなさん。この前のレッドクリフ、見ましたか?
私はかなり真剣に見てしまいました。
この勢いなら2も見に行きそうです。
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この記事に対するコメント

お久しぶりです。
この間、ノートPCの方が壊れてしまいまして・・・
なかなかコメントできませんでした。
ただいま修理中です。
なので自宅のPCからこっそりと・・・^^;

またまたリクエストに応えてくださってありがとうございます。
明日の朝にはきりちゃん、身をもってその真実を知ることでしょうね。
百聞は一見にしかずですね。
【2009/04/14 15:01】 URL | セディール #- [ 編集]

Re: タイトルなし
> お久しぶりです。
> この間、ノートPCの方が壊れてしまいまして・・・
> なかなかコメントできませんでした。
> ただいま修理中です。
> なので自宅のPCからこっそりと・・・^^;
>
> またまたリクエストに応えてくださってありがとうございます。
> 明日の朝にはきりちゃん、身をもってその真実を知ることでしょうね。
> 百聞は一見にしかずですね。





こんにちは。いつもありがとうござます。
PCが壊れるって困りますよね~
壊れたときに限って調べたいことがあったり。
我が家のPCも年末に壊れたので買い換えましたよ~
突然、壊れたので痛い出費でしたわ。
でも、年賀状を作りたかったのでしかたなかったのです。
【2009/04/14 18:25】 URL | ゆっち #- [ 編集]


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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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