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かわいいきりちゃん。
忍たまのきりちゃんメインのブログです。
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かくれんぼの途中
きり丸はもう二度もしんべエが通りすぎるのを見送った。いくら、倉庫の影といっても目の前なのに。
『しんべエ、かくれんぼ下手だなあ』
そんな事を考えながら、物陰で息を潜めている。こんな風にしているとなんだか、自分は一流の忍者になった気分。憧れの利吉さんもこんな感じで仕事をしているのかしら?土井先生も昔はこんな感じに仕事をしていたのかしら?
二人が聞いたら『かんれんぼと一緒にしないで』と苦情を言うに決まっている事を考えながらきり丸は一人悦に入っていた。
「うふふ」
思わず声が出る。さすがにしんべエに見付かるかな?と思ったがそれでもしんべエは気が付かない。本当にすぐそばにいるのに。思いっきり手を伸ばせば触れられそうなくらいそばなのに。
きり丸はなんだが不安になってきた。
『しんべエってばマジで?』
優しいしんべエの事だから、決して意地悪で自分を見つけてくれないはずはない。もし、自分に気が付いたらいつもの笑顔で
「きり丸、み~つけた!!」
って言ってくれるはず。それなのに。それなのに、今日は自分の事なんて知らない子のよう。まるで、会った事のない子のように通り過ぎていく。
『しんべエがそんな意地悪するわけない』
きり丸はしんべエの優しさを信じている。ちょっとドジくさくって泣き虫だけど、いつだって優しいもの。
『だったら、なんで?』
きり丸はしばらく考える。べつにきり丸だってしんべエに意地悪した覚えなんてない。今だって、仲良くかくれんぼしているんだから。
『もしかして・・・・』
きり丸は昨日、図書室で見た話を思い出した。話によると不思議な天狗の道具の力で透明になれるようになった男の子が透明になってイタズラばっかりしていて天狗に見付かりお仕置きされる話。確か、雨のときに着る蓑を着て透明になっていた。今、きり丸は蓑なんて着ていないけど、イタズラなら今日の午前中にだってやった。土井先生のチョーク入れからチョークをみんな出した。先生が両手を出してごらんってみんなに言って、きり丸がやったとすぐにバレてしまった。
『あの時、先生が・・・』
白い粉がついている自分の手を見て先生が言ってたっけ。
「そんなイタズラばっかりしてたらお山の天狗に言いつけるぞ」
って。もしかしたら、先生は言いつけたのかも知れない。あの時は
「天狗なんているもんか!」
って言い返したけど、忍者だっているんだもん。天狗だっているかも知れない。それに、学校がある場所って山のすぐ近く。先生だったらすぐに天狗に言いつけに行けるかも知れない。きり丸はイタズラばかりで悪い子だから透明にしてくださいって言ったかも知れない。
『もし、透明になったらどうなっちゃうんだろ?』
きり丸は真剣に考える。もし、透明になったら本ではお店のお饅頭を勝手に食べたりしていたけど、そんな事はドロボーでしてはいけない事だし、そんな事をしたらそれこそ先生に怒られる。
透明になったら、もう誰も自分が見えないから一緒に遊んでくれないし、話もしてくれない。バイトだってできない。先生だって自分が家にいるかどうか分からないから、家にいないのに扉を閉めてしまうかも知れない。それに、見えないからだっこだって出来ない。
『・・・・』
きり丸は自分の手をじっと見つめる。自分にはしっかり見える。でも、本でも自分では見えるが人からは見えないって言っていた。そして、池には自分が写らないって言っていた。
『池!!』
きり丸はかくれんぼの事なんてすっかり忘れて、池の方に走って行った。
「あ・・・きり丸ぅ」
さすがにそんな事をすればしんべエだって見つける。だけど、ものすごい勢いで走っていくきり丸になんだか、声をかけそびれてしまった。そこで、追いかけていく事にした。
きり丸はじっと池を覗き込む。反対から同じようにきり丸が覗き返してくる。
「写ってる・・・・」
きり丸はホッと息をついた。先生、言いつけてなかったんだ。
「きり丸、どうしたの?」
振り返るとしんべエがいた。乱太郎もいた。二人とも驚いた顔をしている。無理もない。きり丸は涙目だったから。きり丸はさっきまでの思いを二人に話した。
「へぇ、天狗の本、読んだ後に天狗に言いつけるって言われるのってなんだか嫌だねぇ」
乱太郎はきり丸の話に賛成してくれた。
「ごめんね、きり丸。見つけられなくって」
「へへへ、別に怖くなったんじゃないんだぜ!」

照れくさそうに言うきり丸。
「ちょっと、気になっただけだからな」
そんなきり丸に乱太郎もしんべエも何も言わない。本当は早く見つけてほしかったきり丸の気持ちがなんとなく分かるから。誰だって不安になる。きり丸は特にこういう事が苦手だ。そんな事、二人は知っている。
「でもさ、土井先生が聞いたら怒るんじゃない?」
乱太郎は笑いながら言った。
「どうして?」
「だってさ、言いつけたりしてないよって!」
「う~ん、でもさ、土井先生は結構、言いつけるって言うぞ?」

確かに午前中もそう言ったし、家でも「閻魔様に言いつけるぞ」とか「仁王様に言いつけるぞ」とか言っている。その度にアッカンベーをして来たきり丸だった。だって、家なら閻魔様だって仁王様だって怖くない。もし、きり丸を怒りにきたって、家には先生がいるのだから。
「だったら、早く口止めに行かなきゃ!」
「俺、ちょっと行って来る!」

しんべエの言葉を聞いて、きり丸は職員室にかけていった。
きり丸の背中を見送って
「きり丸、信じてるんだね、天狗」
しんべエはきり丸の意外な一面を知ったと思った。現実主義者のきり丸の事だから天狗なんて信じていないと思っていたのだ。
「授業中はそんなのいないって言ってたのにね」
「でもね、僕、きり丸のああいうところがかわいいって思うよ」

しんべエはきり丸が聞いたら怒りそうな事を乱太郎にだけそっと言った。乱太郎も同じ意見らしく、にっこり笑って頷いた。

「先生!天狗に言いつけた?」
職員室に入るなりきり丸はそう聞いた。いきなりそう聞かれてもなんの事だかわからない。
「ん?天狗?」
「言ってたじゃん!お山の天狗に言いつけるって!もう、言っちゃったの?」

こう言われてようやく思い出す。首を横に振りながら笑った。
「まだだよ」
「じゃあ、もう言わないで」

きり丸はよじ登りなれた体によじ登りながら言う。よじ登ってくるのを助けてやり、最後にはいつものだっこになってしまった。
「これからきり丸がいい子だったら言わないよ」
そんな事なら簡単ときり丸は即答する。自信たっぷりだ。
「いい子になるよ」
かつて「いい子になる」とか「もうしません」とか何回言った事だろう。そして、そんなのは全く守られていない。いつだって、次の日には元気全開でイタズラも全開なのだから。
「ホントかぁ?」
「うん、だから言いつけるのは山田先生くらいにして」

これには少し笑ってしまった。きり丸から見れば天狗と山田先生は同じ列らしい。そして、山田先生の方が少し怖くないらしい。
「いい子になったら言いつける必要なんてないんだけどな」





あとがきです。
月光のお話です。
きりちゃんの読んだ天狗の話は皆さん、ご存知ですか?
いたずらっ子が天狗から隠れ蓑をまきあげるんお話です。
au風にまとめて言うと巻き上げた隠れ蓑でえらい目にあいました。めでたし、めでたし。
そんな感じです。


そして、いつも読んでくださる方、ありがとうございます。
コメントや拍手をいただくこともあり本当にうれしい限りです。
なんのお礼もできなくってすみません。
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
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