かわいいきりちゃん。
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ピアノ
半助はきり丸のベッドに座りこんでじっとしていた。じっとしているといってもぼーっとしているわけではない。先ほどから耳はフル回転で仕事をしているし、口だってよく動かしている。
「きりちゃん、そこ、ちがうでしょ?」
「もっとなめらかに!」
「ラソラからもう一度」

こんな風に口うるさく言っているのだ。
言われているきり丸はどんどんと機嫌が悪くなって
「もうやだ!」
「できないよ!」
「お兄ちゃん、うるさい!」

と、ふくれっ面だ。
きり丸は只今、ピアノの練習中。電子ピアノの前で格闘しているのだ。
始めたころは曲も簡単ですいすいと進んでいたが三年目となった今ではなかなか進まない。先週、先々週と課題曲が丸をもらえずにいるのだ。そんな訳で半助の教えにも熱が入っている。
「きり丸が何回も間違えるのが悪いんでしょ」
厳しく言われる。半助にしてみれば当然なのだ。近頃のきり丸は練習をさぼり気味。
「練習したの?」
と、聞かれれば
「昼間にしたよ!」
と、答えるが嘘なのだ。昼間は団蔵たちと遊ぶのに忙しいのだ。そんなウソはすぐに見抜ける。だから、こうして土曜日にみっちりとやらないといけないわけなのだ。
「だいたいね、きり丸がさぼってばっかりだがらうまく弾けないんだからね」
いつになく厳しい半助にきり丸は半ベソで
「お兄ちゃんの意地悪・・・」
「意地悪でも何でもいいから練習しなさい」

こんな言葉とつっかえつっかえのただとおしいピアノの音は随分と続いた。だけど、半助はなかなか許してくれない。
「先生がね、ゆっくりでいいよって言ってた」
上目使いで言ってみる。
「でも、練習しないでいいって言ってなかったでしょ」
「…でもね、えっとね」

なんとか逃れたいきり丸は言い訳を考える。
「お兄ちゃんやりっちゃんが子供のころはね、先生がすっごく怖くって練習していかなかったらピアノの蓋をバーンって閉められちゃったんだぞ」
怖い先生の話でやる気を出さそうと思ったのだが駄目だった。今の話できり丸が思ったのは、そんな怖い先生でなくてよかったということ。それから自分にはもう一人の兄がいるのを思い出しただけだった。
「俺、りっちゃんとやろっかな・・・」
遂に切り札の「りっちゃん」を出した。ちゃんと知っているのだ。利吉は半助よりずっと甘いことを。そんな事は半助だってもちろん承知だ。だからこそ、自分が練習に付き合っているのだ。
「りっちゃんはいません!!」
「いつ帰ってくる?」
「当分、帰ってこないよ!」
「当分ってどれくらい?」
「ずっとだ!」

そんな会話の二人。その背中に遠慮がちに声がかかる。
「ただいまぁ・・・」
きり丸にとってはグッドタイミング。半助にとってはバッドタイミング。
「りっちゃぁぁん!!」
勢いよく椅子から飛び降りて抱きついた。これで鬼のようなお兄ちゃんから逃げれるのである。
「きりちゃん、ピアノしてたの?偉いね」
とりあえず、褒めておく。が、すぐに半助の横やりが入った。
「イヤイヤしてんだよ。ほら、戻っておいで」
逃げ出したきり丸を怖い顔でにらむ。だけど、援軍が来たきり丸は強気でそんなのは無視することにした。
「りっちゃん、お兄ちゃんがいじめるんだよ。俺に無理やりピアノさせるんだよ」
「無理やりはひどいねぇ。でもピアノは毎日練習しないとうまくならないんだよ」
「今日はもうおわりにしてってお兄ちゃんにいってよ」

半助はため息をついた。甘えん坊のきり丸。こうなってはもう練習はしない。ここで怒っても泣いてごまかすだけなのだ。
「わかったよ。じゃあ、また明日ね」
「やったぁ!!」

解放されたきり丸は早速、冷蔵庫に向かった。今日のおやつを探すのだ。
「何かあるかなぁ」
思いっきり背伸びをして除く。
たまご、ベーコン、バターにジャム。それから座薬くらいしか見当たらない。
「ろくなものがない家だ・・・」
「悪かったね」

半分、冷蔵庫によじ登るようになっているきり丸をおろしてドアを閉めた。そもそも、今日のおやつは要冷蔵ではないのだ。
「おやつ、ないじゃん!!」
冷蔵庫から引き離されたきり丸は猛抗議。
「今日は冷蔵庫に入れないおやつ。さぁ、なんだ?」
「プリン?」
「ぶー、外れ。プリンは冷蔵庫に入れるおやつでしょ」
「じゃあ、ポテトチップス?」
「おっ、おしいなぁ、今日はスイートポテトだよ」
「…スイートポテトかぁ」

きり丸はなんだか複雑そうな表情だ。別段、スイートポテトが嫌いなわけではない。だけど、それほど好きなわけでもない。順位でいえばかなり下のほうに位置するおやつだ。しかしながら半助はよくスイートポテトを買ってくる。栄養価を考えてこのとなのだ。
「嫌だった?」
「どっちかって言うと、ポテトチップスがよかったかな」

ポテトチップスはかなり好きなおやつなのだが半助はなかなか買ってこないおやつだ。
「塩分が強いんだぞ」
とか、なんとか言っている。塩分が強かろうが弱かろうがおいしいものはおいしい。きり丸が食べられるチャンスは利吉がテレビを見る時用に買ってきたときだけだ。そんな時だって半助の目を盗んで利吉の横にくっついて食べている。
「強いってのは、弱いよりいいんじゃない?」
そうなのだ。きり丸が転んで泣かなかったりするとよく
「えらいな、強かった」
と、褒められる。
「ははは、面白いね。きりちゃんは」
利吉が感心した。
「口ばっかり達者になって…」
半助があきれる。
「ポテトってところは同じなんだけどなぁ。ポテトチップスの勝ちだよなぁ」
ブツブツ言いながらぺろりと食べてしまった。
文句は言うが必ず食べるのだ。
「そんなにポテトチップスがよかったの?」
きり丸と向かい合って座っている利吉がきくと首を横に振った。
「ううん。今日はプリンがよかった」
「そう言えば、最初に言ってたな」

半助も思い出す。
「うん、俺ね、ピアノしたらねプリン食べたくなるの」
「?」

2人の兄は首をかしげる。ピアノとプリン。どういうつながりなのだろう?
「だってさ。ピアノの先生もお兄ちゃんも『なめらかに』って言うからさ。そしたら、俺、いつも『なめらかプリン』思い出すんだ」
「なるほどねぇ」

妙に感心してしまった二人だった。






あとがきです。
今回は平成のきりちゃんです。
きりちゃん、ピアノ習っていたんですね。
私も子供の時に少しだけ習いました。でも、先生が怖くって・・・
途中で先生が言っている怖い先生の話は私の実話です。
私と兄はすぐにやめてしまいましたが姉だけは頑張っていました。
姉よ・・・本当に私たちと血のつながりがあるのかい?
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この記事に対するコメント

お久しぶりです


忙しくてなかなかコメントかけなくて…
すいませんでした(>_<)
私もピアノ習ってました
でも
きりちゃんと一緒で練習さぼってばっかりでした

それでも
10年ちょいやってました
【2009/03/06 09:52】 URL | チカ #- [ 編集]


こんにちは~
お久しぶりですね。お元気でしたか?

チカさんもピアノを!!しかも、10年も!
えらいですね~
さぼりつつも10年続ければ立派ですよ!
私は練習をさぼるために数々の嘘をつきました。
そして、親に怒られたものです。
今思えば、おとなしく練習するほうが楽だったのに・・・
【2009/03/06 15:20】 URL | ゆっち #- [ 編集]


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