かわいいきりちゃん。
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お見通し
放課後の教室。今日の掃除当番で鍵係のきり丸と団蔵は最後の点検を終えて、後は鍵をかけるだけの状況だった。そんなとき。
「ねぇ、団蔵」
きり丸は笑顔で団蔵に話し掛ける。団蔵にしてみれば、こんな風に笑顔を見せてくれるのはうれしいが、こんな風な笑顔の時はたいてい、ろくな事を企んでいない事も知っている。
「何?」
「あのさ、川に遊びに行こうぜ」

団蔵は内心ため息をついた。昨日までの雨で川は増水しているのだ。だから、川へ遊びに行くのは禁止されている。それなのに行きたがるのは、増水した川にはいろんな者が流れ着くからである。それを拾って一儲けするつもりのきり丸。そして、それが全てわかっている団蔵。
「ダメだよ。先生達がダメって言ってたろ?」
団蔵のつれない返事にきり丸は食い下がる。
「いいじゃん。黙ってれば分からないよ」
かつて、この手の事で何度、叱られたか数え切れないきり丸なのに少しも懲りていない。団蔵だってきり丸に巻き込まれる形で何度も食事当番や庭掃除、漢字の練習などをさせられている。それでも、きり丸に頼まれるとはっきりと断る事ができないのだ。
「でもさぁ、危ないよ」
団蔵はきり丸の機嫌を損なわないように注意しながら、やんわりと断る。諦めきれないきり丸。
「ねぇ、ねぇ。いいじゃん~。ちょっとだけぇ」
「土井先生に怒られるよ」

団蔵はこれ以上、断ると自分が嫌われてしまうので「土井先生が」と言った。こう言う事で「自分は行ってあげたいけど、土井先生が怒るのよ」という形をとったのだ。半助とは現在、恋敵の関係なのだから少しくらいは許されるはずである。
「大丈夫だって。先生はニブチンだから見付からないよ!」
きり丸は元気いっぱい。反して団蔵は、
『いつも見付かってるじゃん』
なんて思っている。思っているが口には出さない。
この場合、団蔵の読みの方が正しかったようである。二人は気が付いていなかったが、一連の会話は全て半助に聞かれていたのだ。そうとも知らず、
「いくら土井先生がニブチンでもさ、外出許可もらうときにバレちゃうよ」
「大丈夫だって、ちょっとお買い物ですって言うからさ」

なんて会話までしてしまった。
『二人とも・・・・』
半助は苦い顔で職員室に戻っていった。本当は教室に忘れ物を取りに来たのだけど、それは後にして二人がどんな顔で自分の元にやってくるか待ってみる事にしたのだ。
『きり丸はきっと嘘をつくんだろうなぁ。団蔵の思惑通りに叱らないといけないのはちょっと悔しいぞ』
なんて思いながら職員室で待っていると、やっぱり二人はやって来た。団蔵はきり丸に押し切られたようである。まぁ、だいたい、いつもそうなんだけど。
「先生、お買い物に行くから外出許可ください!」
きり丸はスラスラと嘘を言った。団蔵は横目できり丸を見ている。きっと、きり丸の指示で『団蔵は嘘が下手だから黙ってたほうがいい』と言われたのだろう。
「お買い物?へぇ、何、買うの?」
半助は嘘に乗ってやった。
「筆」
これも用意していた嘘なのだ。これくらいの嘘を用意してこそ、一流の忍たまなのだ。勉強に使うものなら、うるさく言われずに外出許可をもらえると判断したのだ。
「筆?この前、買ってやったろ?」
半助はわざと不思議そうな顔を作った。そう、新学期が始まる前に、筆と墨は半助が買ってやった。たいして、勉強家でもないのだから、その筆がもうダメになっているとは考えにくい。もちろん、ダメになんてなってない。新品同様なのだ。だって、筆を買いに行くなんて嘘なんだから。
「え?えっとぉ、団蔵の!団蔵の筆!!」
これは用意していなかった嘘なので少しつまってしまった。ちなみに団蔵の筆だって新品同様である。半助は、今度は団蔵に向かって
「どんな筆を買うんだい?」
と聞いた。団蔵は嘘なんて全く用意していなかったからとっさに
「字を書く筆」
なんて当たり前の事を言ってしまった。自分だって下手な嘘をついたのに、団蔵の下手な嘘にきり丸は焦った。
「そう、小さい奴だよね、団蔵!!」
「うん。そう」

半助は「へぇ」と言ってからさらに聞いてきた。
「じゃあ、どこで買うんだい?」
この辺から団蔵は嘘がばれている事を感じていた。もちろん、きり丸だって感じていたが今更、後には引けない。
「あのね、町で。町のお店で買うの!」
一生懸命の嘘をつくきり丸に、半助はデコピンを食らわした。
「痛て!」
「嘘つけ。本当は二人で川に行く気だろ?」

半助は笑いながら言った。こんな時、黙っていれるのは団蔵で、思わず本当の事を言ってしまうのはきり丸の方である。
「なんで知ってんの?」
この一言を言ったからにはお説教をもらわなければならいと団蔵は思っていたが、きり丸は半助が知っている事の不思議が気になってまだ気がついていない。
「お前の事なんて、何だってお見通しなんだよ!」
それからのお説教の長い事といったら。きり丸も団蔵も仲良く足がしびれてしまった。
「どうして川に行っちゃいけないかって言うと、危ないの。増水している川にはまったりしたら死んじゃうだぞ?」
黙って聞く団蔵と、適当に「はい、はい」と相槌を打ちながら聞くきり丸。この場合、一見、きり丸のほうがちゃんと聞いているように思えるが、そんな事は全くない。きり丸は適当に相槌をうってさっさと終わらせたいのだ。半助だってそんな事、わかっている。分かっているから、きり丸が熱心に聞いているなんて誤解は全くしていない。もちろん、団蔵だってきり丸がちゃんと聞いて反省しているなんて思っていない。つまりは、きり丸だけが「ちゃんと聞いてますよ」とアピールできているつもりになっているのだ。
長い、長い、お説教が終わって二人はようやく解放された。
「なんでバレちゃったんだろ?」
不服顔できり丸が呟く。
「僕、嘘、下手だからなぁ」
確かにそうだけど、今回は最初ッからバレていた気がするのだ。買い物が嘘だってバレたのは嘘が下手だったからかもしれないけど、川に行く計画までばれているなんて。
「先生、案外、ニブチンじゃないのかな?」
「さぁ、どうだろ?」

バツとして言いつけられた庭掃除をしながら団蔵は答える。きり丸はホウキを振り回しながら
「あ~あ!川に行きたかったなぁ!!」
と大声で叫んだ。するとすぐに、職員室から半助が出てきた。
「こら!真面目に掃除しなさい!!」
こんな半助を見て、団蔵は
『きり丸っていつも先生に見張られてるんだよねぇ。気が付いてないけど・・・』
と心の中でぼやいていた。






あとがきです。
今日は学校のはなしです。
学校でもきりちゃんと先生はラブラブでいてほしいです。
そして、若旦那にはヤキモキしてほしいです。
そんな思いでいっぱいです・・・
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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