かわいいきりちゃん。
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歯医者さん 1
「お兄ちゃん、これね、大木先生からお手紙」
そう言ってきり丸は封筒を渡した。その封筒には見慣れた字で『保護者様』と書かれてある。どうやら健康診断の結果らしい。
「ああ、健康診断ね。きり丸は大きくなったかな?」
半助は笑いながら用紙を拡げる。その横のきり丸は背伸びをしながら
「大きくなったでしょ?」
なんて言っている。
まさか、この10秒後にこの平和がきえるなんて夢にも思わず。
「あ。きり丸、虫歯があるね。歯医者さんに行かないとね」
「えええ!!!」

半助はさも、何でもないように言ったがきり丸は驚愕した。だって、歯医者さんはとても怖いのだ。この前、ちょっとお薬を塗ってもらいに行っただけでもちびっちゃいそうだった。お薬を塗るだけでもそうなんだから、治療なんてしたら絶対にちびっちゃう。
「やだ!俺、行かない!!」
あわててソファの陰にかくれた。だけど、半助は追いかけてこなかった。追いかけてこない代わりに、厳しく言い渡した。
「だーめ!虫歯はほっておいたらどんどん悪くなるんだぞ。明日、連れて行ってあげるよ」
冗談じゃない。歯医者さんなんて連れて行ってもらわない方がいい。
だいたい、いつもどこかに連れて行ってって言っても、いい子にしてたらね。なんて誤魔化してるくせに。
「やだぁ!!行きたくない!!」
きり丸はおお泣きで訴えたが、素知らぬ顔の半助はもう歯医者さんに電話をかけ始める。
受話器を置いて笑顔で伝えた。
「明日、お昼、一番にどうぞってさ。土曜日だし、ちょうどいいね」
「よくない!!俺、行かないからね!!」
そう言ってきり丸は部屋に閉じこもってしまった。どうしても歯医者さんに行きたくない。どうしても!!
部屋の中をぐるぐると歩きながら考える。
どうしたら歯医者に行かなくてすむものか?
利吉に泣きつく?
だめだ。利吉は明日の夜まで帰ってこない。
自分で虫歯を抜いちゃう?
無理だ。どれが虫歯かわからないし、抜くのが怖い。
お兄ちゃんにお願いする?
無駄だ。こんな時のお兄ちゃんは絶対に許してくれない。
「よし!!」
あれこれ考えた末に、きり丸は一つの決断にたどりついた。
「家でしちゃお!!家出だ!」
そう決めた。そして、さっそくリュックに着替えやらおこずかいの入った貯金箱やらを詰め始めた。
「お菓子も持って行こうっと」
「あと、ちゅっちゅっも・・・」

寂しくなったときのためにおしゃぶりだ。きり丸はおしゃぶりが大好きだ。少し前まで寝るときはいつだってしていた。だけど、一年生になったとき、半助と約束したのだ。おしゃぶりはどうしても我慢できないときだけって。
家出したらどうしても我慢出来なくなるかもしれない。だって、半助も利吉もいないのだから。
「準備できた!!出発!!」
きり丸はそっと玄関のドアを開けたが、またそっと閉じた。
「出発は明日の朝でいいや・・・」
だって、もうお外は暗くなりかけてるんだもん。暗くなってから出かけたらお化けが来るかもしれない。
「怖いんじゃないよ。朝、お兄ちゃんが寝ているうちに出かけるんだから!」
自分に自分で言い訳した。

次の朝、きり丸は予定通りに早起きした。
いつもは甘えて半助か利吉に着替えを手伝ってもらうのに、今朝は自分でさっさと着替えた。「脱いだパジャマはたたみなさい」半助はいつもそう言う。だけど、そんなの面倒くさい。くるくるっと丸めてベッドにつっこんだ。
「これでよし!!」
いよいよ、出発である。予定通りにそっと出て行った。
案外、寒い。きり丸は寒さのあまり、引き返したくなる。
「だめだめ。家出するんだから」
そう言って、決心が鈍らないうちにエレベーターにのった。
もう行先は決まっている。迷いのない足取りで進んで行った。
そのころ、半助はきり丸が家出を計画しているなんて思ってもいなかったので、まだ眠っていた。なにかゴソゴソしているなぁと感じていたけど、小さな弟が休みの日に朝からゴソゴソするのなんてよくあることと、気にも留めていなかった。
『なんで休みに限って早起きなんだろ・・・』
そんな事を思いながら寝がえりをうった。
それからしばらくダラダラと寝ていたが、ふと気になる。
『やけに静かだ・・・』
こんなに静かな時はたいていいたずらをしているのだ。本人はいたずらのつもりがなくても、まぁ、たいていはロクな事はしていない。
「きり丸?起きてるの?」
ベッドの中から声をかけてみるが返事がない。返事がないとますます気になる。
「きり丸?何してるの?」
もうのんきに寝ていられなくてきり丸を見にリビングへ行った。てっきりそこにいると思っていたのにいなかった。きり丸の部屋にもいなかった。利吉の部屋にもいなかった。風呂場もトイレものぞいたがいなかった。
「・・・・どこ、行ったんだ?」
ふと玄関を見ると靴がない。
どうやら一人で出かけて行ったらしい。時計を見るとまだ7時半。こんなに朝早くにどこへ行ったんだろう。
とりあえず落ち着きたいとキッチンで何か飲もうと思った。そこできり丸のいない理由がわかった。冷蔵庫に貼ってあるホワイトボードに
「いえでします。ははいたいくない。きりまる」
と平仮名ばかりで書かれてある。
「家出します。歯は・・・痛くないってこと?」
これで半助にもすべてがわかった。きり丸は今日の診察が嫌で逃げ出したのだ。
「まったく・・・手がかかるんだから・・・」
半助はコップ一杯の水を飲んでから着替え、出かけて行った。今朝はけっこう冷える。早く見つけないと風邪を引くかもしれない。
だいたい、きり丸の行きそうなところはわかるのだ。
「公園だな、きっと」
近頃、「ホームレス中学生」をドラマで見た。それから、きり丸は公園で一人暮らしにあこがれているのだ。公園に行くたびに
「ここがおうち」
と滑り台に寝転がる。
案の定、きり丸は公園の「おうち」で寝ていた。朝早くから出かけて眠くなってしまったのだろう。
「やれやれ」
コートも着ないで出かけてきたきり丸に自分のコートを着せて抱きあげる。それから家出の荷物を担いで引き上げていった。
よく眠っていて起きる気配もない。
「のんきなことだ」
半助はリビングのソファにきり丸を寝かせて朝ごはんの準備に取り掛かる。起きてきたきり丸がなんて言うかを楽しみにしながら。






あとがきです。
今日はセディールさんにいただきました。
ありがとうございます。いつもありがとうございます。

さて、みなさん。
「セイント 星矢」って知ってますか?
大昔にやっていたアニメなんですが。やっていた時は私はすでに小学校6年生くらいだったので見ていなかったんですが、今、友達が「すっげー面白いから見て」ってDVDを置いて行きました。
数えきれないくらいの量です・・・いったい、何時間分?
そうこう言いながら、見始めるとなかなかイケメンぞろいで驚きました。
主役が一番、イケメンじゃないってどういこった??
今、髪の長い(この人、一番イケメンですね)が山にクロスなるものを修理に行ったところまでみました。そこにも、イケメンが!!
タイトルを「イケメン星矢」に変えたほうがいいと思います!!
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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