かわいいきりちゃん。
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おたふく風邪 2
朝になるときり丸の熱は少しだけ引いていた。その代わり、機嫌はものすごく悪かった。
「お耳が痛い!!」
目が覚めるなり、そう騒ぎ出したのだ。その騒ぎ方は、本当に痛いらしい。いつもきり丸が「お耳が痛い!」と言う時は、半助に叱られて「よく聞きなさい」と言われた時だった。今日の痛さはそうではないらしい。きり丸は自分の両耳を抑えて辛そうに訴える。
「え?見せてごらん」
半助はきり丸の耳を覗き込んだが外傷はなさそうだった。別段、膿も出ている感じもない。
「両方ともいたいの?」
なみだ目で頷いた。風邪の後、耳が痛くなるというのはよくあることだが、両耳となると話は別だ。耳自体が悪いなら片耳だけだろう。
『高熱と耳が痛いって・・・これっておたふく風邪?』
半助はきり丸の顔をじっと見る。別段、腫れてはいないが・・・
「きりちゃん、ここは?ここは痛くない?」
そう言って首筋を触ってみた。
「ぎゃあ!!」
大声を上げてのけぞった。相当、痛いらしい。こうなれば、おたふく風邪に間違いはないのだが、半助は念のため、裏のオババにきり丸を見てもらうことにした。子供を14人育てたオババの知識と経験を持ってすればすぐに分かるだろう。
「おいで」
きり丸は抱き上げられると不安そうに
「どこに行くの?痛くしないでね」
と、半助の着物を掴んで訴える。先ほど、押さえられたのがそうとうこえたらしい。そんな不安そうなおチビさんの髪をなでてやって
「少しオババに見てもらおうね」
と、行き先を言った。とたん、きり丸は嫌そうな顔をする。オババは好きなのだが、こんな風に病気になったときは会いたくない。オババの治療法はいつもロクなことがないのだもの。この前、きり丸がお腹を壊したときも
「お灸をすればすぐに治る」
と、言っていた。そして、嫌がるきり丸にお灸を据えようとしたのだ。冗談じゃない。お灸なんて。実際にはした事はないけど、とっても熱いと知っている。大木の話によるとイタズラのバツと言っていた。半助が助けてくれなければ確実に据えられていただろう。
今回だって、お耳が痛いのはお灸で治るなんていわれたら困るのだ。
「やだぁ」
半助は知っている。きり丸がオババの民間療法を嫌がっているのを。半助だってオババの民間療法には半信半疑なのだ。梅干をおでこに貼っても熱が下がるとは思えない。おへそを太陽にあてておなかが丈夫になるとは思えない。カエルを食べておねしょが治ると思えない。それらすべてになんの根拠もないのだ。それにオババがそんな治療法を施すとき
「昔、誰かにきいたんだけどねぇ・・・たしかねぇ・・」
なんてあいまいなことを言っているのがまた危険な香りがするのだ。
熱が出ているときに梅干しをおでこに貼っている場合ではないし、太陽にあてるためにこの季節におへそなんて出していた方が冷えて余計にお腹に悪い気がする。まぁ、カエルくらいなら食べても害はなさそうだけど、きり丸が断固として拒否するのでまだ食べさせたことがない。だから、効果のほどはわからない。わからないが別段知りたくもない。熱が出ても、お腹が痛くなっても薬もあるし、おねしょは布団をほせばいいだけだ。
正直にいえば半信半疑ではなくまるっきり信じていないのだ。オババの民間療法を。
しかし、オババの病気を見分ける目は確かだ。
「平気、見てもらうだけだからね」
「ホント?痛くしない?」
「大丈夫だよ」
「変なこともしない?」
「疑り深いなぁ。見てもらうだけだよ」

渋るきり丸を抱いて半助はオババの元に出向いた。が、家まで行かなくでもよかった。オババは中庭で自分の洗濯物を干していた。
『お元気なことだ・・・』
半助はそう思いながら、きり丸の事を話した。
「バカだね!早く家で寝かせてやりなぁ!」
オババはきり丸を一目見るなりそう言った。半助の思ったとおり、おたふく風邪だという。そして、おたふく風邪は甘く見てはいけない。風に当ててはいけない。熱が上がるので水分を多く取らせないといけない。などといろいろ教えてくれた。
「先生、怒られたね」
家に帰ってオババに言われたとおり、耳の下を冷たい手ぬぐいで冷やされたきり丸は面白そうに言った。冷やして痛みさえとれば案外元気なきり丸だった。元気なせいで布団からすぐに出たがるのが難点だったが。
「きりちゃん、お布団にいなさい」
今でこそ熱が下がっているが、またいつ熱が上がるかわからないのだから余計な体力をつかわしたくなかった。
「お布団、淋しい・・・」
すぐに隣の部屋に半助がいるのに淋しいという。甘ったれでかわいいきり丸。
「淋しくないでしょ」
半助はそう言ったが、首をいやいやするように振って
「淋しいの。先生がだっこしてくれないと淋しいの」
と、抱きついてきた。昨夜、一晩、だっこで眠ったのがよほど心地よかったのか、それともやはりはっきりしない体調のせいなのか。甘えん坊のきり丸。そんな甘えん坊が可愛くて仕方がない半助はついデレデレとしてしまう。
「赤ちゃんなんだから」
半助はそう言って抱っこしながらきり丸が寝やすいように背中をポンポンと叩いた。病気のときくらい好きに甘えさせてやってもいいだろうと思う。普段はバイトや内職で忙しいし、学校ではあまり甘えてこないのだから。こんなときくらい。
半助はそう思っているが半助以外の人間は「きり丸はいつでも甘えん坊で、半助はいつでも甘やかしている」と思っている。
「ほら、だっこしててやるからネンネしな」
「俺、ネンネないよぉ・・・」

そんな事を言いながらもきり丸はいつの間にか寝てしまった。やはり、おたふく風邪はつらいらしい。そっと布団に寝かしても気がつくことなく眠り続けた。
「かわいそうに・・・」
少し下がったとは言え、まだまだ高熱だ。じっと寝顔を見つめる。きり丸が少しでも楽になるなら何だってしてやりたい心境だった。そう思って我に帰る。
『こうしちゃいられないんだった!』
半助はきり丸が寝ている間に洗濯やら料理やらしなければならないことがたくさんあった。洗濯一つにしても、夕べきり丸が高熱で汗をかいたのでものすごい量だったし、料理だっておたふく風邪のきり丸になにかおいしいものを食べさせたいので買い物にも行かなくてはなかった。その買い物だって、きり丸が寝ている間に帰ってきたいので大あわて。
こんな時は忍者の修行をしておいてよかったとしみじみ思う。どんなに重い荷物を持っても、ものともせずに走れる。昨夜は寝ていなくても苦にならない。
『辛い修行がこんな形で役立つなんて思わなかった』
半助は自分で思って自分で苦笑い。だって、修業中はこんな日が来るとは思っていなかった。自分が教師になることすら予想していなかったし、ましてや小さな子と二人で暮らすなんて夢にも思っていなかった。そして、その子がこの世で一番大切な恋人になるなんて。
『恐山のイタコでも予言できなかったかもな・・・』







あとがきです。
タイトルでバレバレなんですがきりちゃんは「おたふく風邪」です。
すみませんが明日もよろしくお願いします。

しかしながら、ご長寿の民間療法は無茶が多いですよね。
私は旦那と年が離れておりまして、
当然、お姑さんはかなりの年配。
もちろん、民間療法が好きです。
胃の弱い私にアロエをすりおろして飲めと!!
苦いよ・・・無理だよ・・・
断ったら、せんぶりっていう漢方薬をくれました。
これまた、この世のものとは思えないほど苦かったです。
漢方薬の底力を見ました・・・
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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