かわいいきりちゃん。
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歯が!!
半助は先ほどからきり丸が気になる。気になるのはいつものことだが、今日はそういう気になるではなく、きり丸の様子がおかしいので気になるのだ。
何度も指を口の中に入れたり出したりしているのだ。指しゃぶりとはまた違う。
「きり丸、どした?口に何かあるのか?」
しかし、半助が何度聞いても
「どうもしない」
と言うだけ。
どうもしないわけはないはずなのに。
『歯が痛いのかな?それとも口内炎?』
口に違和感を感じていることは分かるが何故、それを隠すのかがわからない。
半助に見られていると感じたきり丸は一人、奥の部屋に移動した。
『危ない、危ない・・・』
そしてまた、そっと口の中に指を入れる。
『俺の歯、どうしちゃったんだろ?グラグラしてる・・・』
そう、きり丸は乳歯の生え換わりの時期を迎えたのだ。だけど、そんなことは知らない。歯が生え換わるとは聞いたことがあるが、実際に自分の身に起こるとそれだとはわからなかったのだ。
『昨日、先生に内緒でお饅頭食べちゃったから、虫歯になっちゃったんだ・・・』
このように誤解をしているきり丸。誤解するのも無理ない話で半助がよく
「甘いものばかり食べていると虫歯になるぞ。虫歯がひどくなったら歯が抜けちゃうぞ」
と、脅しているのだ。
『どうして二つも食べちゃったんだろ・・・』
泣きたいほど後悔しているがもう遅い。きり丸の上の犬歯はグラグラしている。抜けてしまうのも時間の問題だろう。
『歯が抜けちゃったらどうなるんだろう?すごく痛いのかな?今だってちょっと痛いのに・・・。先生に言おうかな?でも、きっとすごく怒られるだろうな・・・』
奥の部屋で背中を丸めて一人悩むきり丸。半助に内緒で食べたお饅頭がこんな事になるなんて。バチって本当にあるんだ。
「きり丸、そっちは寒いから、こっちにおいで」
こんな風に優しくされると涙が出そうになる。それくらい悩んでいた。
再び半助のそばに戻っても歯の事ばかりが気になって何をしても面白くない。憂鬱な顔でガラス玉を転がすきり丸。
『やれやれ・・・いったい、どうしたんだろう?』
なにかあるには違いないが言わない。それは「言わない」のではなく「言えない」のだ。言えば叱られると思って言えないらしい。
かわいそうにと思うが言わないものは仕方がない。
夕飯も歯が気になってほとんど食べれなかった。さすがに、これは黙っていられない。
「きり丸、本当にどうしたの?」
「なんでもないよ・・・」

どう見てもなにかありそうな上目使いなのに。
「なんでもないならちゃんと食べなさい」
ちょっと厳しすぎるかなと思うが、ここで「そう」なんて言っていてはいつまでたっても解決しない。解決しないときり丸はいつまでも憂鬱な顔をしていないといけないことになる。心を鬼にして言う。
しかし、歯が気になって仕方のないきり丸はただでさえ憂鬱なのに半助にまで厳しくされてはたまらない。
「嫌!先生の意地悪!嫌い!!」
怒ってまたも隣の部屋に逃げ込んだ。本当は家出をしたいくらいだが、もう外は真っ暗だし、今夜は風もあって寒い。家の中でのプチ家出で済ましておくのが身のためなのだ。
そのままへそを曲げて寝転がっているといつの間にか寝てしまっていた。
『困ったなぁ』
きり丸を布団に運びながらため息をつく。普段の他愛のないいたずらとは違うらしい。こんなに言いにくいなんて一体、何がどうなっているんだろう・・・
そのまま朝まで寝るのかと思って着替えまでさせたのに、きり丸は目を覚ました。
『お腹、すいた・・・』
夕飯は一口、二口しか食べれなかった。そして、6時を少し回った時間に寝てしまったのだから、目が覚めるのも不思議ではない。
隣の布団には誰もいない。どうやら、まだ半助の寝る時間ではなさそうだ。襖の隙間から光が入ってくる。すぐそばにいている。
だけど、きり丸は襖を開けるのをためらった。さっき、半助に「意地悪」だの「嫌い」だの言ってしまったのだ。その上、せっかく作ってくれた夕飯をほとんど残してしまった。半助は怒っているかもしれない。そう思うと、隣に入って行きにくい。
「・・・・」
襖の隙間からのぞいてみる。半助はいつもどおりに本を読んでいる。だけど、すぐに顔をあげてこっちを見た。
「きり丸、どうした?おいで」
ちゃんときり丸の気持を理解している半助は本を置いてぽんぽんと膝を叩いた。
「先生、怒ってない?」
襖に隠れたまま聞く。
「怒ってないよ」
まったく、誰が着替えさせて布団に運んだと思っているのだろう?怒っている相手にそんな事をしてやれるほど半助だって心が広くない。
「先生・・俺、お腹、すいちゃった・・・」
「ふふふ、じゃあ、早くおいで。夕飯、暖めなおすから」

ようやく、ふすまから出てきた。だけど、やっぱり浮かない顔。
「今日のごはん、嫌いだったか?」
半助が優しく聞くときり丸は首を横に振った。
「じゃあ、どうした?」
「・・・先生、怒らない?」

おずおずと聞く。きり丸だって早く半助に言ってしまって何とかしてほしい。だけど、叱られるのは怖かった。
「どうだろ?聞いてみないとわからないな」
内心、ふざけているのだけど、おお真面目な顔で言う。
「だったら、言えない・・・」
本当は「怒らないよ」と言ってほしかった。だけど、こんな危うい返事ではとても言えない。
「聞かないとわからないじゃん」
「先生、怒るもん・・・」

きり丸は今までの経験でよくわかっているらしい。
「怒られるようなこと、したのか?」
「・・・・」
「わかった、わかった。怒らないから言ってごらん」

うなだれるきり丸があまりに不憫でそう言った。そろそろからかうのもやめにしないと。
「俺・・・俺・・・虫歯になっちゃったぁ」
言うと同時に大声で泣き出した。
「虫歯ぁ?どれ?見せて」
きり丸の歯質はよさそうで安心していたのに虫歯になるとは。
わんわん泣くきり丸の腕を掴んで、口の中をのぞく。だけど、それは大人の半助が見ればすぐに虫歯ではなく生え換わりとわかるものだった。
「大丈夫だよ。虫歯じゃないさ」
半助は歯の説明をしてやり、しばらく抱いてやった。
落ち着いたきり丸に
「だけど、どうして怒られると思ったんだ?」
と尋ねる。
「だって・・・」
きり丸は本当のことを話した。昨日、お饅頭を二つも食べてしまったこと。そのあと、歯を磨かなかったこと。
「ごめんなさい・・・」
今度こそは叱られると思ったが半助は怒らないとの約束を守ってくれた。
「ははは、ま、これに懲りて甘いものは控えるんだね」
怒られないとわかると、急にお腹が減る。
「お腹すいた!!でも、食べられない!!」
キーキーと言うきり丸に半助が出してくれたものは葛湯だった。
「あまーい!!おいしいー!!」
葛湯を飲むとご機嫌のきり丸は二回もおかわりをした。ちょっとさっき、甘いものが原因で泣きべそだったくせに。
「きり丸、今度こそ虫歯になるよ」
半助のあきれ声にきり丸は笑顔で答えた。
「歯、磨くもん!大丈夫!!」






あとがきです。
今回はセディールさんにいただいてます。
いつもありがとうございます。

歯が抜けるって言うのは私はとても楽しみでした。
末っ子だったので早く大きくなりたくって
「大人の歯」
という言葉に憧れていました。
子供のころ、大きくなるということにすごく憧れていました。
今は、若さがほしいと思いますが・・・
特にお肌に張りがほしいです・・・

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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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