かわいいきりちゃん。
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排水溝
 きり丸は一人、内職に励んでいた。半助はなにやら、御用で出かけていったので一人でするしかない。一人でするというのは、やはり捗らない。反面、うるさく言われなくて良い。
「宿題は済んだのか?」
「新学期の準備はできたのか?」

なんて言われると気が散るのだ。まぁ、半助から言わせてもらえば
「気が散るほど聞いていない」
といったところだろう。
そんな二人の言い分はともかく、今日は一人で内職である。きり丸は真剣に袋張りをしていた。一枚でも多く仕上げたい。その枚数が直接、お金と関係するのだから。
ゾクッ!!
「もうダメ!」
きり丸は手を休め土間から中庭に出て行った。どんなに忙しくても、生理現象はしかたない。これでも、ギリギリまで我慢してから行くのだけど。我慢している間に袋張りも進むのだ。しかし、今回はその作戦が裏目に出てしまった。トイレが満員だった。
『これだから共同は!!』
思わず文句が出そうになるが、文句を言っている場合ではない。そんな事をしていると、文句以外のものまで出てしまう。きり丸は仕方なく、自分の家の戸口に近い排水溝の前に立った。自分の家まで戻ったのはやはり、他所様の排水溝でするのは気が引けたからだった。
「ふぅ・・・」
自分の体と排水溝をつなぐ放物線を見ながらため息がでた。
『男でよかった・・・』
ためらいもなく用を足していた。
「ちー」
きり丸は昔、自分がおしっこをする時に母がそう言ってくれていたのを思い出しながら小声で言った。あの頃だってよく、間に合わなくってトイレ以外の所で用を足していた。排水溝のときもあったし、田んぼのあで道のときもあった。時々は、部屋の中でしちゃったときもあった。それでも、誰にも叱られる事なんて無くって
『今度はちー教えてね』
とか
『ちー出ちゃったね』
なんて言われていた。そして、排水溝でもどこでもおしっこが出来たときは
『きりちゃん、お利口さんね』
って、抱きしめられたりした。今じゃ、排水溝におしっこをしているのを半助に見られたら必ず
『こら!』
と言われるだろう。大きくなるというのは不便なこともある。
すっきりして振り返ると、うらのおばばが立っていた。どうやら、トイレに入っていたのは裏のおばばらしい。
「きりちゃん・・・」
おばばはきり丸が袴を上げている途中だというのに遠慮なく見てくるし、話し掛けてきた。
『こんな時に話し掛けられても・・・』
慌てて袴の帯をしめ返事をする。
「なぁに?」
「そんな所におしっこしたらちんちんが腫れるよ」

真顔で一体、何を言うのか?きり丸はポカンとしておばばを見つめた。
「ミミズにおしっこかけたら腫れちゃうんだよ」
「だって、おばばがトイレから出てこないから・・・」

きり丸は意味がよく分からないままに反抗した。きり丸だって、お行儀が悪いくらいの事はわかっていた。でも、あの場合は仕方ないじゃないか・・・
きり丸の抗議を無視しておばばは自分の家に入っていった。きり丸だって、いつまでも中庭に立っていったって仕方ない。部屋には袋張りの内職が待っているのだから。
きり丸がせっせと内職に励んでいると半助が帰ってきた。
「ただいま~」
「おかえり!」

嬉しそうに飛びつくきり丸を抱いてやる。お腹がすいたと訴えるのに、すぐにご飯にするからなと答える。
半助がご飯の準備をしている間、きり丸の様子がおかしいのだ。
「?」
なんだか、さっきから袴ばかりを気にしている。ごそごそと。
『どっかに引っ掛けたのかな?』
半助はそう思っていた。引っ掛けたなら、繕ってやればすむことなのだ。たいした、問題ではない。
が、どうやら違うようだった。
きり丸は帯を緩めて、袴の中身を見ている。
「・・・・・・」
半助はなんだか、見てはいけないものを見てしまった気になった。きり丸の袴の中身にはきり丸の体しか入っているわけもなく。それを、見たり、ごそごそとしてみたり。
『10歳では早すぎるんじゃない?』
半助はそう思ったがなんて声をかけていいか分からず、見て見ぬふりをしようかと思った。
『それにしても、普通は隠れてやるとかさ・・・』
きり丸は奥の部屋に行く事もなく、手前の部屋で堂々と袴を覗いている。
「ねぇ、先生・・・」
半助がためらっているときり丸の方から声をかけてきた。思わずナベをひっくり返しそうになりながらも、なんとか平静をたもったふりをした。
「な!なに?」
半助の心なんて知らないきり丸は、手招きをする。
『袴の帯に手を掛けて、手招きって・・・ 手伝えって事?』
半助は赤くなったり、青くなったりと忙しい。きり丸はそんな半助をいぶかしげに見ながら首をかしげる。
「なにしてんの?」
「き・・きり丸!ものには順序ってもんがあってなぁ!」

声が裏返る半助。ますます、怪しい感じになってしまっている。
「なに言ってんの?」
「そりゃ、私とお前は恋人どうしだけど、お前は子供だし!別にお前を拒んでいるとかってそう言うわけじゃないぞ!」

焦って自分でも何を言っているのか分からない半助。半助自身が分からないのだから、もちろんきり丸にだってわからない。
「もう、ごちゃごちゃ言ってないで早く!」
「お前・・・積極的だな・・・・」

半助は言われるままに、きり丸に近づいた。
きり丸はもう、半助の言う事は無視する事にした。埒があかないと思ったのだ。
「ねぇ、先生。俺のちんちんって腫れてる?」
「はぁ?」

あまりの話の吹っ飛びように半助はついていけない。すっかり、情事に誘われていると思っていたのに。
「うらのおばばがね、そんなとこでおしっこしたら腫れるって」
「どんなとこでおしっこしたんだよ・・・」

半助は全身の力が抜けた。きり丸は年より、ぐっと幼い一面も多いが、信じられないくらい大人びた面もある。半助はいろいろと気を回していてなんだかとても疲れた。
「排水溝・・・」
きり丸は叱られると思って上目遣いに見上げる。その姿はやっぱり、まだまだ小さくて情事なんて知っていそうにない。安心するやら、がっかりするやら・・・
「どうしてそんな所でしたんだ?」
しっかり者の大人の顔に戻る。
「だってさぁ・・・」
きり丸は昼間の出来事を自分が悪くないと強調しながら話して聞かせた。話し終わると、拳骨が落ちてきた。
「痛ってーな!だって、仕方ないじゃん!」
「何が仕方ないだよ!お行儀の悪い!」

いつもの、いいあいが始まった。
「じゃあ、おもらしした方が偉いの?」
きり丸としては、おもらしした訳でもないのに拳骨されるなんて心外である。ここは訴えたい所だ。あの時、自分の気転がなければ、そういう結果になっていただろう。
「お馬鹿!もっと、早い目にトイレに行けばいいんだよ!!」
半助のもっともな意見に反論できず、口の中でブツブツと文句を言った。それから、きり丸は思い出したように
「ねぇ、先生。どうして、排水溝でおしっこしたらちんちん腫れるの?」
自分のちんちんをずっと気にしていた理由を聞いてみる。
「ああ、それはね。ミミズがいるような場所は不衛生だからね。そんな所でおしっこしたらばい菌がはいりますよってことさ」
「ふーん。おばばもそう言ってくれたらいいのに」

きり丸はまた、口を尖らせた。
「ははは、子供はどこでもおしっこするからさ。お行儀が悪いって思って使う事もあるからさ」
おばばがどう思って言ったのかはわからないが、おそらく、後者だと思われる。年寄りは行儀にうるさいものなのだ。
「失礼な!どこでもなんてしないよ!」
きり丸はトイレが満員だったとき、ちゃんと自分の家の排水溝を選んでおしっこしたのに、そんな言い方は失礼なのだ。そう言って抗議すると半助は笑って、
「排水溝でしちゃうあたりが、もう、どこでもに入るんだよ」
せっかくの抗議が無駄になって、きり丸は黙ってしまった。そして、また、思い出したように
「ねぇ、先生。さっき言ってたのどう言う意味?」
「うん?」

半助は土間に戻ってなべをかき回しながら、ノンキに返事した。
「ほら、順序とかさ、恋人同士だけど子供だからとかさ、言ってたじゃん?あれ、どう言う意味?」
ガッシャーン!!!!!
今度は盛大にナベをひっくり返した半助だった。






あとがきです。
今朝、洗濯機が壊れたかと思いました。
でも、なんとか回りだしてやれやれです。
回ったのは回ったんですがたぶん、寿命は近いと思われます・・・
なにせ、10年以上もこき使っているので。
壊れたらドラム式を買いたいと思います。
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この記事に対するコメント

男の子っていいなぁと思ったこと私あります。
小学校低学年の頃住んでいたところがド田舎で、
通学路が「となりのトトロ」でサツキとメイが雨の中学校から家まで走るシーン
あんな感じなんです。
だからトイレなんてなくって、長距離で・・・
何度か「もうだめ!」って感じになりました。
でも男の子はその辺で済ませることができたので「いいなぁ」と思ったものです。

10年も洗濯機使うなんてすごいですよ!
ドラム式いいですね、私も「あれはいいなぁ」と思ってます。
なんか「最新式」って感じですよね!
【2009/02/11 12:29】 URL | セディール #- [ 編集]


そうですよね。
男の子はその辺は大変、便利ですよね。
きりちゃんも便利機能を使っています。
となりのトトロの世界はいいですよね。
田舎暮らしはそれなりに大変ですが。
私は最近まで大阪に住んでおり、今は香川に住んでいます。
「田舎やわ・・・」
って、悲しい時もしばしば・・・・
【2009/02/12 09:21】 URL | ゆっち #- [ 編集]


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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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