かわいいきりちゃん。
忍たまのきりちゃんメインのブログです。
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先生の頑張る理由
「先生、今日ねぇ」
今日も一日のバイトが終わって家に帰ってきたきり丸は土間で食事の支度中の半助にまとわりつく。夕方の幸せなひと時だ。
普通はこんなのは母子で行うものだろうけど、この家は二人家族だから当然、こうなるのだ。
「そっかぁ、頑張ったな」
まとわりつきながら今日のバイトの成果を話す。誉められたいのだ。だから、頑張ったりしたことしか話さない。例えば、今日なら売り子のバイト中にたくさん声を張り上げたとか。ひと時に大勢の人が来て大変だったとか。そして、値切ってきたおばちゃんを
「私の家はとても苦しいの・・・」
なんて言って同情をかって撃退したとか。
「ね、俺、哀車の術でさ頑張ったの」
「ちゃんと覚えてたんだな、偉い、偉い」

本日のメインメニュー野菜の炊き合わせを作りながらきり丸の頭をなでる。なでられた時のうれしそうな顔は本当にかわいい。
「へへへ、優秀な忍たまだもん!!」
優秀な割には成績がふるわないのはどうしてか?半助はここの中で思う。
『自分に都合のいい術はよく覚えるんだけどね』
家庭内でも『哀車の術』はよく使う。そして、それと分かっていて引っかかってしまう半助なのだった。
「きり丸、お箸、出してきて」
気持ちよくまとわりついている最中にそんな事を言われて不服そうな顔つきになる。そしてその不服はすぐに口から出た。
「えぇ~俺ね、今日は女の子の格好だったでしょ?だからさ、お行儀よく座ってたの。だから、足が痛いんだけどぉ」
半助にしてみれば
『ほ~ら、始まった』
と、言いたい。だけど、そうは言わない。真っ向から言うのは得策ではない。
「そうなの?見せてごらん?」
半助はそう言ってきり丸の足を優しくなでた。それから神妙な顔つきで
「ああ、本当だね。とっても疲れているね。かわいそうに」
てっきり、「疲れてないよ」と言われるのだと思っていたのに意外な反応。だけど、半助が自分を大げさにしてくれるのはうれしいのだ。たいていの子供がそうであるようにきり丸も大げさが好きだった。大げさに心配されたり、大げさに誉められたりするのが好きな甘えん坊だ。
「へへへ、ちょっとなんだけどねぇ」
と、うれしそうに笑っている。
「ううん、そんな事ないね、すっごく疲れているよ。もう、座ってたほうがいいよ」
半助はさらに大げさに言った。そして、愛おしそうにきり丸を抱きしめる。しっかりと抱きしめられて、きり丸も抱きつき返した。それから、元気な顔になり
「平気!俺、お箸、並べるね!!」
と、部屋にあがっていった。
『喜車の術、成功!!』
二人の実力にはまだまだ差がある。きり丸は自分が『喜車の術』にかかっている事に気がついていない。上機嫌でお箸やら湯飲みやらを出していた。
きり丸は日常的にうまく術を使って半助をコントロールしているつもりだが、残念ながらそうではない。半助はきり丸の企みに気がついても黙って言いなりになっているのだ。そして、今回のように逆に使われていることも少なくない。
寝るときなんかもそうなのだ。
「ねぇ、先生。あっちのお部屋でおもしろい話をしてあげる」
口ではそう言っているが本当は自分が寝付くまで添い寝をしてほしいのだ。
「先生、一緒に寝てぇ」
と、言えば一緒に寝てくれる事がほとんどだ。そう言ってしまえば楽だけどカッコ悪い。半助に笑われちゃう事もあるし
「赤ちゃんだなぁ」
なんて言われちゃうこともある。それはちょっと嫌なのだ。だらか、そう言われないように、それでも自分の要求が通るように。
『色を変えるだもんね』
きり丸はこの術に自信を持っていた。この術は非常に成功率が高いのだ。なぜなら、半助が甘いから。
「おもしろいってどんな話?」
いつでもこうして乗ってくれる。
「ここじゃだめ。あっちのお部屋で話してあげる」
そう言って引っ張っていく。それから、自分は自分の布団に寝転がり、
「先生、俺のお布団に入っていいよ」
と言うのだ。本当は添い寝して欲しいだけなのだけど。お見通しの半助は言いなりで
「ありがとう」
のお礼を言って横に寝転がるのが通常だ。
『添い寝のいる赤ちゃんめ・・・』
そうは思っていても決して口には出さないのだ。出さない事が半助の『色を変えるの術』なのだ。もし、そんな事を言ってしまったらギャーギャーとうるさいだろう。寝る前というのは眠い。当たり前だが眠いのだ。眠い子供は機嫌が悪い。少しの事で機嫌をそこねるものなのだ。そんな事はきり丸と暮らして長い半助はよく分かっている。だからこそ、機嫌の悪い状態から目をそらすのだ。別段、アレコレと機嫌をとらなくても言いなりになれば『色を変えるの術』の成功である。
「おもしろい話って何?」
寝転んだ半助は興味ありそうな顔で聞いてやる。実際に楽しみなのだ。きり丸の作る話はなかなかおもしろい。半助にはとても考え付かない話ばかりだ。
「お話してあげるからポンポンして」
普通はプレゼンターが背中をポンポンするべきなのだが、きり丸はいつもこう言う。気持ちがいいのだ。背中のポンポンは。
「はいはい、こうかい?」
半助は優しく背中を叩き始めた。きり丸はゆっくりと話し出す。
「あのね、あるところにね」
このゆっくりの口調は半助を真似たもの。いつも半助はきり丸を寝かしつけるときは普段よりずっとゆっくりと話す。半分、夢の世界にいっていてもちゃんと聞いているのだ。
『ふふふ、かわいいな・・・』
話の序盤なのにきり丸はもううとうとしている。寝る時間と決められている時間には眠くなるのだ。寝るのが嫌で
「眠くない!!」
と、抵抗するときもあるけど特別に長く昼寝をしたりしない限りは眠くなる。まだそんな歳なのだ。
「それで、とんびがぁ・・・」
そんな言葉を最後に夢の世界に行ってしまった。
『とんびはどうしたんだろうねぇ』
半助はかわいい寝顔をしばらく見つめる。これが半助の楽しみだ。「おはよう」から「おやすみ」まで、きり丸に振り回されている。朝は寝ているところを飛び乗られ、朝食の準備にはじまり、掃除、洗濯、と忙しい。朝食はもし、きり丸がいなかったら食べないだろうし、掃除や洗濯だってきり丸がいなければ毎日なんてする必要はないだろう。小さな子がいると家は散らかるし、洗濯物は増えるのだ。
きり丸がバイトに出かけると一休みかと、言えばそうはいかない。
「先生!これとこれね!!」
なんて偉そうにも厳しく内職のノルマを言い渡される。それらの全てを夕方にきり丸が帰ってくるまでに仕上げないといけないのだ。
そして、雨が降ればバイト先までお迎えに行く。いや、雨が降らなくてもちょっと遅くなれば心配で家にいられない。
「平気だって言ってるでしょ!!」
なんて生意気な口調で言われるが帰り道はいつもだっこだ。
それから、夕食の準備、後かたづけ、きり丸をお風呂にいれて、寝かしつける。
夕食の準備はまとわりつかれているし、後かたづけは
「おんぶしてぇ」
「だっこしてぇ」

と乗っかられる。お昼に一緒にいられなかった日は特にそうだ。まだまだ「おんぶ」に「だっこ」が大好きだ。以前に
「げんこつやまのたぬきさんだねぇ。きり丸は」
と、言ったときヘソを曲げてしまった。
「俺!たぬきじゃないもん!!おっぱいだって飲んでないもん!!」
こんな事でえらくヘソを曲げる。そのあと、曲がったヘソを元に戻すのにずいぶん苦労した。
お風呂だって案外、手がかかるのだ。
「じっとしてなさい」
「目に入るよ!」
「こら!ぱしゃぱしゃしないの!!」

この三つは必ず三回づつは言う。きり丸はお風呂が大好きだ。だから、いつだって大はしゃぎなのだった。
これが半助の一日だった。
『まさに振り回されている・・・』
自分でもしみじみ思うがそれが自分の幸せであることだってわかっている。
『この寝顔がお駄賃かな』
寝顔にそうおもうのだった。それほど、かわいい寝顔なのだった。この寝顔を見るために明日も頑張る半助だった。







あとがきです。
今回はきりちゃんが好きな先生の気持です。
結局、先生はきりちゃんが好きなので頑張るようです。
でも、友達関係も、恋人関係も、夫婦関係も、親子関係もみんな相手が好きだからうまくいくんですよね。
好きじゃない人とは義務以外ではあわないですしね。
そんなわけで、きりちゃんが愛されている話でした。
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この記事に対するコメント

きりちゃん、幸せ者ですね。
土井先生もきりちゃんなしではもう生きていけないのでしょうね。
ステキな恋人関係だと思います。
私もそんな人と出会いたいものです。
【2009/02/02 17:57】 URL | セディール #- [ 編集]


こんにちは~
今回は幸せなきりちゃんですね。

これから素敵な人と出会うセディールさんは青春ですね。
私はもう恋とは無縁なので・・・
今思えば、恋をしている時の苦労って甘くて切ないです。
30すぎても、あの頃の自分を思い出すと切なくて、あの時の自分が愛おしいです。
セディールさん、結婚するまでに素敵な恋をたくさんしてくださいね。
【2009/02/02 20:12】 URL | ゆっち #- [ 編集]


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Author:となりのゆっち
忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
「友達になってやるか」って心やさしい方募集中です。



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