かわいいきりちゃん。
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ミーとのケンカ
「どうしたの?きりちゃん?」
となりのおばちゃんが見たものは朝も早くから寝間着姿で中庭に放り出されて泣いているきり丸だった。もう、冷え込む季節にこんな薄い寝間着一枚で放り出されるなんてよほどの事をしたのだろうか?
「先生が怒った・・・・」
おばちゃんに泣いているのを見られて慌てて顔を拭く。
「なんだい、朝っぱらから。おねしょでもしたのかい?」
洗濯籠を片手で持っておばちゃんは笑っている。子供が朝から放り出されるといえばそれくらいだと思ったのだ。
「違うよ!俺、おねしょなんてするもんか!!」
やってもいないおねしょを疑われるなんて心外もいいところだった。きり丸は怒って今日は濡れていない寝巻きの裾を突き出した。
「だったらどうしたの?」
「先生、ミーの事、ばっかり・・・」

ミーとはおばちゃんの愛猫だ。きり丸とも仲良しでよく家にも上がりこんでくるのだ。今日も朝からお出かけしてきていたのだ。
「ミー、そっちに行ってたのかい。ミーとケンかでもした?」
「・・・・・」

口ごもってしまったきり丸。
「ふふふ、なんだか知らないけど早く半助に謝っちゃいな」
「先生、怒ってるもん・・・謝れないもん・・・」
「半助!聞いてるんだろ?早くしないと風邪、引かすよ!!」

おばちゃんは大声で言って引き戸をたくましい腕でドンドンと叩いて井戸のほうに歩いていった。おばちゃんの声で引き戸が開いた。
ふわっと半纏が包み込んでくる。
「反省したのか?」
半纏の紐を結びながら無理やりに作った怖い顔を近づけてきた。
「したよ・・・ごめんなさい・・・」
「ミーにごめんなさいしないと」
「うん・・・」

二人の会話を聞いたとなりのおばちゃんが口を挟んできた、自分の愛猫も関係があるといえば気になるのだろう。
「どうしたね?」
「いやぁ。実はですね」

半助は今朝の出来事を話した。

今朝、二人が起きるとミーはもうすでにきり丸の布団にもぐりこんでいた。おばちゃんと寝るよりこどものきり丸と寝るほうが広くてあったかい事をミーはよく知っているのだ。
「賢い猫だな・・・」
半助は感心する。きり丸が暖かい事を見抜いただけでなく、きり丸がおねしょしちゃった日には決してもぐりこんでこないのだ。
「ミーは俺が好きなんだよねぇ」
きり丸はうれしそうにミーに頬刷りした。
「布団が好きなんだよ。だからおねしょのときはこないでしょ?」
この一言がいけなかったらしい。きり丸はすっかりご機嫌を悪くしてしまった。
『ミーったら!嫌な子!!』
きり丸のご機嫌なんて関係ないミーはきり丸の手から逃れてまた布団に入っていった。ご機嫌の悪いきり丸は当然、意地悪する。
「ミー!俺、もう起きるから出て行ってよ!!」
そう言って掛け布団を引っぺがした。それから布団をバタバタとしてわざとホコリを立てる。こんなきり丸に半助は呆れ顔で注意する。
「意地悪しないの!少しくらいいいでしょ?」
いつもは半助に言われても布団なんて片付けないくせに。半助はきり丸のおしりを軽く叩いてもう一度、ミーに布団をかけてやった。
「うにゃああん」
いつもはミーの幸せそうな鳴き声は大好きなのに今朝はやけに癇に障った・・・。
「ミー!おねしょしないでよ!!」
半助がミーに優しくするとますますおもしろくない。
「ミーはしないよ。きり丸じゃあるまいし」
半助は笑いながら土間に下りていく。朝ごはんの支度があるのだ。その背中をおもしろくなさそうに見ている。
「うにゃあんん」
布団ではミーが伸びをしていて、土間では半助が煮干で味噌汁の出汁をとっている。
「!!」
きり丸はとってもいい事を考え付いた。慌てて土間に下りていく。
「先生!煮干、ちょうだい!!」
「ミーにあげるのかい?仲直りしなさい」
半助はそう言って煮干を小さな手に乗せてくれた。だけど、きり丸はミーと仲直りなんてする気はさらさらなかったのだ。自分の布団と半助を奪い取ったライバルに仕返しするつもりなのだ。
「ミー!ほ~ら煮干だよ~」
布団を少しめくってミーに煮干を見せた。当然、ミーは喜んでよってくる。ミー自身はきり丸とケンカしているつもりなんて一切ないのだから。
「ミー!おいしいよ!」
ミーが喜んで食べようとしたとき、自分の口にいれてしまった。
「へっへへーんだ!騙されてやんの!!」
これを土間から見ていた半助。
「こら!!なんてことするの!!」
最大級の雷が朝から落ちてしまった。動物に期待をさせておいて騙すなんて許せない。
「ミーに謝りなさい!!」
「や~だよ!ミーが最初にしたんだもん!!」

いつもならここで説教や「謝らないと中庭に出すよ?」なんて脅しが入るのだが、今日はいきなり担ぎ上げられ中庭に放り出されてしまったのだ。
それから
「あけてよぉ!ごめんなさぁい」
と泣きながら謝ったのだが許してもらえずにいたのだった。

「それで朝から泣いてたのかい?」
おばちゃんは笑っている。
「おねしょじゃないからね!」
きり丸にとっては笑い事じゃないのだ。おばちゃんはさっき
「おねしょでもしたのかい?」
って、聞いていた。しっかり否定しておかないと。おねしょなんてカッコ悪いもの。今日はしてないもの。
「きり丸、きり丸のした事はおねしょなんかよりずっと悪い事でずっとカッコ悪いんだぞ。ミーはきり丸を信じて喜んだんだぞ。それを騙すなんてかわいそうでしょ?」
だけど半助にとってもそんなところはどうでもよく、もっと大事な事があるのだ。
「うん・・・」
今ではミーに悪かったと思うが半助がミーをかばうとやっぱりおもしろくない。ヤキモチも入っているのだ。納得してない顔のきり丸に半助はさらに言った。
「きり丸だって同じことされたら嫌でしょ?」
「同じことって?」
「私が飴をあげるよって言ってきり丸があ~んしたら私が食べちゃったらどうだ?泣かないか?」
「泣く・・・ト、思う」
「だったら、ミーに謝りましょう」

人間の話を聞いていたかのようにミーは戸口から出てきた。そして、意地悪された事を忘れたようにきり丸の足元に擦り寄ってきた。
「ミー、ごめんね。もう、しないからね」
きり丸はミーを抱き上げて謝った。
「うにゃああん」
心が広く優しいミー。さすがは何匹もの子猫を育て上げただけある。
それから、二人は家に帰って朝ごはん。となりのおばちゃんは洗濯にもどった。ミーはと言えば当然、寒空の下で洗濯を見ているより暖かい部屋で朝ごはんについてきた。本当によく分かっているミーなのだ。
「おいし~」
裸足で放り出されていた身には暖かい味噌汁はとてもおいしく感じられた。だけど、そのおいしい味噌汁の最後には出汁をとった煮干がついてくる。これを食べない家庭もあるが半助は
「栄養があるんだから」
と言っていつも食べさせる。おいしい出汁はすべて出てしまって苦味だけがのこっている。これがきり丸は苦手だった。
「ミー、さっきはごめんね。これ、あげるね」
自分のお椀から煮干を取り出し、ミーにやろうとする。口では親切ぶっているが親切ではない。そんなのは半助だってわかっている。
「こら!きり丸!」
即座に注意され、即座に言い返す。
「ミーにお詫びをあげたんだもん」
「違うでしょ?嫌いだから食べたくないんでしょ?だめだよ、食べなさい」

そんな嘘にひっかかる訳にはいかないのだ。
「あっ、先生、いけないんだー!あげるって言ってからあげない意地悪はだめなんだ~」
きり丸はニヤニヤ笑って半助を指差した。いじめっ子の顔。こんな顔、学校でもときどきしている。そのたびに叱ってやっているが、それでも見かけるのだ。
「そうじゃないでしょ?」
同い年のクラスメートならここで、うろたえてしまうかもしれない。だけど、自分はクラスメートじゃない。怯むもんかとばかりに大人の威厳を持って言いかえす。
「いーけないんだ、いけないんだ!山田先生に言ってやろ!!」
きり丸はリズムをつけて歌い出す。手拍子もつけて。朝から中庭へ出された仕返しも入っているらしい。ちゃんと、半助の先輩教師の山田の名前を出すところがツボを得ていておもしろい。
「もう、今日だけだよ!」
こうして起きぬけはいつもと違った朝だったけど、今日も一日、いつもと同じような一日になりそうな朝だった。いつものようにけんかして、いつものように仲直りして、いつものように甘えあって。
そんな幸せな日常がふたりの日常なのだった。







あとがきです。
今回はミーのお話。
先生は「動物にいじわるはダメ」と厳しく言ってます。
そして私もそれはそうだと思いますが、現在では難しい面もありますね。
山を切り開いた新興住宅地で熊が電柱に登って感電すれば
「熊・・・かわいそうに。これも人間のせいだよ・・」
としんみりするんですが。
逆にハイキングで熊に襲われ重体とかのニュース(私の場合特に子供が襲われた時など)を見れば
「こら!!熊!なにすんねん!!」
と腹が立つわけです。
こんな問題に直面している方たちの思いはもっと複雑なんでしょうね・・・
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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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