かわいいきりちゃん。
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大丈夫ー前ー
きりまるはさっきから何やら熱心にテレビを見ている。
『何見てんだ?』
キッチンの半助はちらっと時計を見た。まだきり丸の好きなアニメの時間ではない。では、一体、何を見ているのだろう。
おやつのリンゴをむき終わり、それを持ってリビングのきり丸の横に座った。
「おやつだよ。さっきらから熱心だね。何見てんの?」
「・・・」

返事もできないほど熱心に見ているらしい。
『?』
半助も一緒に見ていると、画面は墓場のシーンとなり低い声のナレーションが流れる。
「私もその時は信じていなかったんです。まさか、10年前死んだ兄が・・・」
どうやら心霊番組らしい。
「きり丸、これ怖いお話だよ。見るのやめた方がいいと思うよ」
普段から怖がりのきり丸。半助は怖いもの見たさのきり丸からリモコンを取り上げて、テレビを切った。
「あん!見てるの!」
突然、画面が消えてしまったので抗議をした。だけど、半助は笑いながら
「怖いやつだからね。ダメだよ」
と、代わりにリンゴをくれた。
「大丈夫!俺、怖くないんだってばぁ」
この後、しばらく押し問答したが結局、例によって半助が負けた。
「もう、怖がりのくせに・・・」
きり丸に呆れながらも、まだ昼間なのだし、夜には忘れているかもしれないし・・・。そんな風に思っていた。
『それに、この手の番組ってそう怖くないよなぁ』
半助の予想通り、それほどの迫力はなかった。死んだ兄が墓場の掃除をしろと訴えに幽霊になって出てきたという展開。そして、例によって胡散臭いおばさんが
「ご先祖を粗末にするからです」
とか、鼻息荒く訴えている。
テレビを見ながら半助は笑いそうになる。
『心の狭いご先祖だ。生きている人間は何かと忙しいんだから幽霊になって出てくる暇があるなら自分で掃除してくれりゃいいのに・・・』
この手の話はまるっきり信じていない半助。それに比べて、きり丸は大いに信じたようである。
「・・・ご先祖ってなに?」
震える声で聞いてきた。
「うん?ああ、お祖父さんのお祖父さんとか、そういう昔の人のこと」
「仕返しに来るの?」
「違うよ。お願いにくるんだよ」
「俺のところにも来る?」

大いにビビッている弟をこれ以上にビビらすのはどうかと思ったが、最近、わがままが目に余るところのあるきり丸。
「そうだなぁ、いい子にしていれば来ないと思うよ」
半助は軽いニュアンスで言った。
「悪い子のところに来るんだよ」
という積極的な言い方ではなく「来ない」という消極的な言い方。だけど、きり丸は大いに怖がり
「ねぇ、来ない?俺、いい子?」
と、半ベソだ。
「きり丸、怖くないんじゃなかったの?」
「だっこ・・・」

本気で怖いらしい。半助はからかうのはやめにして希望通り抱いてやった。そして、赤ちゃんの時によくしたように、支えているお尻をぽんぽんと叩いてやる。すると、すぐに目元がとろんとなってくる。
「ちょっと寝な」
優しく揺らしたり子守歌を歌ったり、半助はきり丸を落ち着かせる努力をし、その甲斐あってきり丸は安心した顔で眠りについた。
寝てしまった子供は重みが倍増。半助はそっとソファにきり丸をおろした。
「お昼寝。お昼寝」
きり丸はまだ、時々昼寝をする。本人は昼寝はしたくないらしいのだけど、睡魔には勝てないらしい。
きり丸が寝てしまうと暇になった半助。買い物に行きたいのだけど、もし、自分がいない間にきり丸が目を覚ますとかわいそう。
『利吉が帰ってくるか、きり丸が起きるのか。どっちが早いかな?』
かわいい寝顔を見て、半助は自室に入る。来週分の、自分のクラスのテスト問題を作ることにしたのだ。
「先生、来週、テストする?」
クラスの生徒にそう聞かれた。笑いながら
「さぁ。どうかな?」
なんてとぼけたけど、本当に半助だってわからなかったのだ。きり丸がうまく昼寝をしてくれればテスト問題を作れるが、ぐずぐずとまとわりついてきたらテストは中止なのだ。
『来週はテスト有りだな』
自分のクラスのテストがきり丸に左右されているなんて生徒には言えないけど、実際そうなのだ。先生だって家に帰ればいろいろと事情があるのだ。四六時中、先生ではいられない。
もう少しで完成という時、リビングからお声がかかる。
「お兄ちゃ~ん」
半ベソの声にあわててPCの電源を落としてリビングに向かった。そこには「だっこしてぇ」ポーズのきり丸。
「起きたのか。よしよし、おいで」
「う~・・・」

唸り声で不満を表す。
「怖い夢、見たのか?」
「違う!お兄ちゃんがいないから悪いの!」

不満の原因は半助がそばにいなかったことらしい。
「なんだよ、お昼寝してたんだからいいだろ?」
「よくないよ!俺が寝てる時にお化けが来たらどうするの?」

寝る前に見た番組をまだ覚えているらしい。半助は言わんこっちゃないとため息をついた。本当にきり丸と来たら怖がりの癖に見たがりで困るのだ。
「怖いテレビなんて見るから怖くなるんだよ。もう忘れちゃいな」
そんな風に言われても困るのだ。きり丸だって出来れば忘れてしまいたい。だけど、そう簡単には忘れられそうにない。国語の時間に習った漢字なら放課後には忘れちゃってることの方が多いのに。
「どうやって忘れるの?」
半ベソのきり丸。だっこされたままで足をもじもじと動かしている。
「お化けのことなんて考えなければいいんだよ」
「うん・・・」

半助の提案に一応納得したようで返事をした。だけど、まだ忘れていないのにソファに下ろされるなんて。
「嫌!だっこしてて!」
おしりがソファに着くなり叫ぶ。そんな小さな弟に半助はあきれ顔で
「お兄ちゃん、お部屋本を取りに行きたいんだけど」
「俺も行く!」
「いいけどね・・・」

それからもきり丸は半助の後ばかりついて歩いた。半助が洗濯物を取り込めば一緒にベランダへ。キッチンでお茶を飲めばキッチンへ。全く、落ち着かないことだった。
「きりちゃん、怖くないって言ってたでしょ」
半助は何度かきり丸を説得しようと思って言ってみるが、きり丸は首を振って否定する。
「言わない。お兄ちゃん、うそつき」
「だいたいね、一人で寝れないようなチビの癖に心霊番組なんて10年早いんだよ」

なんと言われようが、今日は言い返せない。お昼の今だってこんなに怖いのだ。今夜は自分の部屋でなんて寝れそうにない。半助のベッドに入れてもらいたいのだ。
「だって・・・」
なにやら口の中でもごもご言っている。そんな姿がかわいらしい。






あとがきです。
今回はセディールさんからいただきましたネタです。
ありがとうございます。
ちょっと長くなったので二回に分けました。
途中で土井先生が言っているご先祖様への意見ですが、
あれは私がこの話を実際にテレビで見たときに感じた感想です。
罰あたりですみません・・・・
それから、今回はまたセリフを太字に戻したのですが、どうでしょうか?
どちらがいいのかなぁって思ってます。
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