かわいいきりちゃん。
忍たまのきりちゃんメインのブログです。
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仲裁
「しんべエ、何してんだ?」
お昼休み、しんべエが池の中を覗いている。きり丸はてっきりなにかいいものが池に落ちていると思って寄っていった。が、予想はハズレだった。
「なにもしてないよ!」
いつも、おっとり、のんびりの優しいしんべエにしては珍しくつっけんどん。
「怒ってんのか?」
普段、何かと周囲の人を怒らせていると自覚のあるきり丸はしんべエの顔を覗き込んだ。しんべエは、はっとして、今度は元気のない声で
「きり丸に怒ってるんじゃないよ・・・」
なんて言って下を向いてしまった。自分に怒っているんじゃなければ誰に怒っているのだろう?
「何かあったのか?」
「乱太郎とけんかしちゃったの・・・」
これは珍しい。三人のなかでいつもケンカになるのは「きり丸vsしんべエ」か「きり丸vs乱太郎」でしんべエと乱太郎でケンカになるのは滅多にないのだ。こんな、きり丸の状況を半助は
『相手変れど、主変らず』
と言ってお説教する。だけど、きり丸だって誰とでもケンカになる訳ではない。団蔵や虎若、伊助、庄左ェ門などとはケンカにならないもの。これを主張しても半助は笑って
『あいつ等大人だなぁ』
なんて言っている。言わせてもらえば、半助とはケンカになるのだから半助は団蔵達より子供という事になるじゃないか。
「珍しいな・・・。なんでケンカになったの?」
正直、きり丸はそんなにケンカの話に興味はなかったのだが、この場合は聞いたほうがいいような気がした。それに、しんべエだって聞いて欲しそうだったから。
「乱太郎がさ、僕の似顔絵を書いてくれたんだけどさ、途中でさ、僕はデブだから紙を横にしないと入らないなんていうんだもん。ひどいでしょ?」
これを聞いたきり丸は思わず笑いそうになってしまったが、自分のおしりを自分でつねって我慢した。ここで笑ったりしてはいけないのだ。そんな事をしたら事態は深刻になってしまう。
「ふ・・ふ~ん、乱太郎、ひどいな」
本心は『乱太郎、面白いな』なんだけど言えない。
「きり丸もそう思うでしょ?僕、腹が立って乱太郎が描いた絵、破ったんだ」
「ふ~ん」
まだ笑いを堪えるきり丸。もう、しんべエがそれから何を言っても面白いのだ。
「そしたらさ、乱太郎が怒って僕をぶったんだ」
これも珍しい。乱太郎はそんなに乱暴な方ではない。最初に手を上げるのもいつもきり丸なのだ。
「痛くされたのか?」
「ちょっとね。だから、僕もやりかえしたんだ」
「どうやって?」
しんべエは両手で押す真似をする。怪力のしんべエに押されるとけっこう痛い。押されて痛い上に、いつもしりもちまでついてしまうのだ。その事を知っているきり丸はやや乱太郎に同情した。
「それで、ケンカになったんだ」
「ふ~ん」
ケンカの理由は聞いたが、きり丸には二人の間に入って仲裁する気なんてない。そんな事をするのは面倒くさいし、そんな事しなくってもすぐに仲直りをするに決まっているのだから。
 お昼休みが終わって、午後の授業が始まっても乱太郎としんべエはケンカ続行中で口も利かない。実技の授業で三人一組でのろしを上げる練習なのに、今日は全然息が合わずにうまくいかない。それも、そのはず、二人はきり丸にしか話をしないのだ。
「きりちゃん、そっちの端持ってってしんべエに言って」
「きり丸、そんなに煽がないように乱太郎に言って」
と、まぁこんな感じ。これではうまくいくはずなんてなく、山田に何度も叱られてしまった。
『とんだとばっちりだぜ!!』
自分には関係ないと思っていたケンカが思わぬ形で関係してくる。全く、早く仲直りをしてもらわないとやってられない。
夕飯のときも
「きりちゃん、そんなに一人で場所とらないでってしんべエに言って」
から始まり、
「きり丸、嫌なら一人であっちで食べたらって乱太郎に言って」
と応戦がある。そんな事、きり丸がいちいち伝えなくっても、明らかに聞こえているのにきり丸が黙っていると
「早く!!」
なんて怒られる。「早くしなさい」なんて怒られるのは家でたくさんである。学校でまで「早く」なんて怒られるのはごめんであった。
そんな二人に挟まれた夕飯はちっともおいしくなくって、何を食べたかも分からないくらい。
『とんだとばっちりだせ!』
きり丸はまた、そう思ってお風呂上りには、さっさと団蔵の部屋に遊びに行こうと思っていた。が、今度は乱太郎に呼び止められる。
「しんべえったらひどいんだよ!私が一生懸命描いた絵を破いたんだよ!それなのに謝りもしないで、私を突き飛ばしたんだ!」
さっきの話と少し違う。同じケンカの話なのに。これがお互いの言い分かと思うとまた、面白くなって笑いそうになった。笑うわけにはいかないので、またおしりをつねってきくきり丸。
「私はしんべエの事を一生懸命、なるべく似るように描いたのにさ」
乱太郎もしんべエに負けないくらい怒っている。お風呂上りに寒い廊下でこんな話をながながとなんて聞きたくないが、そうは言いにくい。
 乱太郎の話は長かったがようやく終わった。終わった頃にはすっかり体も冷えてしまっていて、きり丸は小走りでトイレに行く羽目になってしまった。
『とんだとばっちりだぜ!!』
なんとか間に合って、一安心。やれやれとため息をついて出てくると見回りの半助がいた。もう消灯時間らしい。別にトイレに行っていただけなので怒られる事はないが、思わず焦ってしまう。これを人は『パブロフの犬』という。
「なんで、焦ってんだよ」
「え・・だって、いつも、見回りの先生に見付かったら怒られるから」
半助は笑いながらきり丸の髪をくしゃくしゃにした。
「そ・れ・は!いつも、他所の部屋で遊んでいるからだ!」
「やめてよ!」
と言いつつもなんだかうれしそうなきり丸。こんな風に学園内で半助を独り占めできるのは珍しいからだ。
「おしっこしたのか?」
「うん」
「じゃあ、部屋まで送ってやるから、体が冷えないうちに寝なさい」
「それがさ、もう冷え冷えなんだ」
そう言って半助の足に自分の足を乗っける。その足は冷たくって驚くほどだ。一体、どこで何をしていたのか。そう思えば当然、聞くわけで。聞かれれば、当然、今日のお昼からからのとばっちりについて熱く語るのだ。
「二人ともさ、怒っちゃってさ。俺さ、笑えないからさおしりつねってさ。お風呂で見たら青くなっててさ。とんだとばっちりだぜ!!」
「どこ?」
半助がきり丸の寝巻きをまくると、確かに青くなっている。
「やめてよ!」
今度のやめては本当にやめて欲しそうだった。普段、家では着替えまで手伝わしている癖に、学校では傍目を気にして大人ぶるのだ。
「先生がさ、二人に怒ってよ。いい加減にしなさいって」
半助はきり丸の怒りももっともだと思って、仲裁しに行ってやろうかと思ったがここはひとつ、きり丸に頑張ってもらうことにした。
「いつもは、乱太郎やしんべエが仲裁に頑張ってるんだから、今回はきり丸が頑張ってみたら?」
「え~!無理だよ!!二人とも怒ってるもん!!」
「どうしても無理なら、行ってやるよ。頑張れ!」
そう言われたところで部屋の前。世の中ってこんなに都合がよかったの?と思わずにはいられないタイミングでつくものだ。半助に軽くおしりを叩かれる。
「痛ってーな!」
調度、青くなっている真上だったので半助を睨んでから部屋に入っていった。
「大げさな奴だな」
そう言われて今度は
「イーだ!!」
と、歯をむき出してからしょうじを閉めた。
『きれいな歯だね』
そんなノンキな半助。まぁ、半助にしてみれば子供同士の他愛もないケンカだし、これを機にきり丸にもケンカの仲裁の大変さを知ってもらうにもいいとくらいに思っているのだ。
当の二人ときり丸にとってはそれどころじゃないのだけど。案の定、きり丸が部屋に戻ってくると二人はまだ、険悪なようでお互いに背中を向けて乱太郎は読書、しんべエはお菓子を食べていた。
「・・・・・あのさ、もう仲直りをしたら?」
思い切って切り出す。正直、ケンカはよくするけど、仲裁を任されるのなんて初めてなのだ。これ以外に言う、言葉が見付からない。
「ねぇ、きりちゃん。きりちゃんはどっちが悪いと思ってるの?」
「え・・・・?」
「そうだよ、きり丸はどっちの味方なの?」
「い・・・・?」
思わぬ事を言われて言葉に詰まる。この場合どちらの味方と言っても仲裁は無理だし、かと言って、黙ってるのも許されない雰囲気だ。
「「ねぇ、どっち!?」」
「どっちって言われてもさ・・・」
言葉を選ぶきり丸。
「言われても何?」
「きり丸、本当の気持ちでいいんだよ?」
二人はきり丸を追い詰めるように迫ってくる。きり丸は変な笑い方で誤魔化したいがそうも行かない。
『こうなったら・・・』
「俺、どっちの味方でもない。二人がケンカするなら俺、団蔵のとこに行く!バイバイ!!」
そう言って、きり丸はさっさと出て行こうとした。今度は二人が焦る番で、慌てて
「ごめんね、きりちゃん」
「行かないで、きり丸ぅ」
きり丸がいつも団蔵達の部屋に行くのを二人してあまり快く思っていないので、二人は必死だった。このままでは、きり丸は団蔵たちの部屋に行って帰ってこないかもしれない。
「ね、きりちゃん。もどっておいで」
「きり丸、僕達仲直りするから」
内心は『大成功!イエイ!!』でガッツポーズなのだが、表情は曇りがちで
「本当に仲良くしてくれる?」
と言ってみる。
「うんうん」
「もう、ケンカしない?」
「しない、しない」
こうして、今夜も仲良く三人で川の字で寝る事になった。

次の日。
「へへっへ~、俺って仲裁の才能があるかもね」
と半助に言ってみる。半助は軽くきり丸を小突いて
「ああいうのは仲裁って言わないんだよ」
昨日の夜、やっぱり心配で廊下で聞き耳を立てていた半助なのだ。
「でも、二人は仲直りしたでしょ?」
「まあね、仲裁ではなかったけどね」
あくまでも仲裁とは認めてくれない半助。せっかく頑張ったのに面白くないきり丸。誉めてもらって、ご褒美だって欲しいくらいなのに。
「じゃあ、あれはなんて言うの?」
「ああいうのは脅迫」






あとがきです。
また、突然、学校になりました。
だけど、明日からはまたおうちの話になると思います。
いったい、今は何休みなのか?と、自分でも思うくらいです。
学校でも先生はきりちゃんのことを見ていてほしいです。
いつでも、どこででも先生はきりちゃんにラブラブでいてほしいです。
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Author:となりのゆっち
忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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