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かわいいきりちゃん。
忍たまのきりちゃんメインのブログです。
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夢占いー前ー
「ねぇきりちゃん、夢占いって知ってる?」
バイト先の娘で仕事仲間のお妙にそう聞かれてきり丸はきょとんとしてしまった。お妙のくれたみかん水を一口飲んでから、
「知らない」
と、返事した。本当に知らないのだ。夢は知っている。寝ている時に見るやつだ。占いも知っている。先の事がわかったりするやつだ。でも、夢占いは知らない。
「ふふふ、教えてあげよっか?」
お妙は得意気にきり丸の顔を覗き込む。こんな姿はまだまだ幼くてかわいらしい。しかし、きり丸はもっと幼いのだ。しっかりとお妙の顔を覗き返すのだ。
「うん!なぁに?」
きり丸はお妙の教えがけっこう好きだ。占いとかおまじないとか、半助がけっして知らないような事を教えてくれるのだ。あまり、度が過ぎると店主に怒られてしまうのだが。
「小さい子に馬鹿な事、言ってんじゃねぇよ!馬鹿!!」
と、娘のお妙が怒鳴られてしまうのだ。だから、今だって店の裏のみかん箱に座って、二人、くっついて話をしているのだ。きり丸もお妙も一人っ子。だからこんな風に話を出来る相手は貴重な存在だ。
「あのね、見た夢で占いをするの」
きり丸の耳元でそっと言う。
「占い?なにが分かるの?」
占いと聞いて目を輝かせるきり丸。以前に占い師にあったことがあるが、その人はインチキだと団蔵が言っていた。半助もその占い師には二度と近づいてはいけないと言っている。その占い師だけではない。半助はそういう職業の人との接触を禁止している。しかしながら、きり丸は占いに少なからずの興味を持っているのだ。
「未来よ。見た夢を分析して考えるの。例えばね、おいしい果物を食べる夢なら恋人が出来るの。井戸を覗く夢は落し物をするの」
お妙はずいぶんと詳しいようだった。すっかり感心してしまったきり丸はみかん水を飲むのも忘れているようだった。
「ふ~ん、夢で分かるんだ」
「そうよ、きりちゃんも見るでしょ?夢」
見すぎて困るくらいだ。だって、いい夢ばかりじゃない。怖い夢もたくさん見るのだ。あんまり怖くって夜中に泣いちゃうこともあるくらい。それに、怖い夢を見たら時々布団が濡れちゃうのも困りものなのだ。
「うん。見る」
夢で困っている事は言わなかった。その事は半助だけが知っているのだ。それでいい。いや、本当は半助にも知られたくないがすぐ隣に寝ているし、いつだって助けてもらうのだから仕方ない。
「でしょ?その夢で占うの。でもね、夢ってすぐに忘れちゃうから紙に書いておくのよ」
そんな会話で休憩時間は終わった。今度、夢を見たらお妙が占ってくれるそうだ。そのために、紙と筆を布団のところに持っていっておくといいと言われた。もちろん、きり丸はそうするつもりだ。夢占いにとっても興味があるのだ。もしかしたら、お金持ちになる夢を見れるかもしれない。
「俺、今夜からしてみるね」
きり丸はそう言って帰っていった。そのきり丸の返事にお妙は満足したようで大きく頷いた。
家に帰ると早速、半助に言った。その口調はちょっと自慢気である。いつだって半助にはいろいろ教えられてばかりだ。だから、たまに自分が教える立場になるのは好ましいのだ。なんて言っても二人は恋人同士なのだ。対等な立場でいたいじゃないか。
「先生、夢占いって知ってる?」
「夢占い?そんなのどこで聞いてきたの?」
残念。どうやら半助は知っているらしい。自分が知らないだけでけっこう有名なのだろうか?
「お妙姉ちゃん!今度、占ってくれるって」
きり丸は嬉しそうに言った。今度のうどん屋のバイトは明日。だから、今夜の夢を書いておくつもりだ。うまくいけば、夢は見れる。どんな占い結果が出るか楽しみだ。
「きり丸、そんなに夢、見るんだっけ?」
「うん、見るよ!」
今度もちょっと自慢気。そんなきり丸はかわいくてついからかいたくなる半助だった。
「そうなんだ。でも、あんまり夢、見るとおねしょしちゃうぞ」
半助は笑いながら味噌汁をよそった。今から、晩御飯なのだ。きり丸は半助の前にちょこんと座って、自分に都合の悪いことは聞こえないふりをしていた。確かに、半助の言うとおり。夢を見るとおねしょしちゃうときがあるのだ。いや、おねしょしちゃったときは必ず夢を見ているのだ。夢から覚めたときに、布団の冷たさに気がつくのだった。
『おねしょ・・・』
きり丸はこの前、おねしょをしたときの事を思い出す。あの時は確か、大きなお風呂に入っている夢だった。どういう訳か、自分の家に学校のお風呂があった。その辺りで怪しいと気づけばよかったのだが、気がつかずお風呂に入ってしまった。それが、いけなかったらしい。
すっかり晩御飯の準備を整えた半助が前に座っている。きり丸は思い切って聞いてみた。
「どうして、おねしょしちゃうのかな?夢って」
「さぁねぇ。どうしてかな?」
半助はきり丸の質問に答えなかった。下手なことを言って傷つけるのも嫌だったし、きり丸だってわざとしているわけでもない。それに、なにより、半助自身、その答えは知らないのだった。
「じゃあ、どうして先生はおねしょしないの?夢、見ないの?」
せっかく思い切って聞いたのに、はっきりしない返事では納得できない。それなら、半助の事だけでも教えてもらいたい。
「夢は見るけどね、おねしょはしないなぁ」
半助の返事にきり丸はやっぱり納得いかない。不公平だ。それでは、自分ばかりが損をしている。
「先生、ズルイや!」
「だって、大人だもん。おねしょしてたら困るでしょ」
口を尖らすきり丸の髪をひとなでして笑う。
「子供だって困るんだい!」
「困ってないように見えるんだけどな」
半助は笑う。だって、きり丸がおねしょをしても困ることなんてない。後始末は全部、半助がしているのだから。きり丸は布団が干されるのを戸口から顔だけ出して恥ずかしそうに見ているだけだ。おねしょをしたからと言ってバツを与えることもないし、一人っ子なので他の兄弟の目だってない。
「でも、困ってるんだから」
半助から見て困っているようには見えないがきり丸は困っていると主張する。だって、半助に
「おねしょしちゃったの」
と、告げるのはとっても困るのだ。おねしょなんてカッコ悪いもの。おねしょなんて赤ちゃんみたいだもの。おねしょなんて恥ずかしいもの。
「ははは、私が怖い大人だったらおしりペンペンかもね」
そんな事を笑いながら言うが、半助はおねしょにバツを与える気は毛頭ない。そんな事はきり丸だって知っている。今までだってちょっと笑われたりするが叱られた事は一度もない。
「ねんねの時は仕方ないの!」
これはおねしょに落ち込むきり丸に半助がいうセリフ。
「仕方ないよ。きり丸はねんねしてたんだから」
と、慰めてくれるのだ。機嫌の悪いときはつい、八つ当たりで
「ねんねしてたからおねしょっていうんだい!起きてたらおもらしって言うんだから!!」
なんてヘソを曲げてしまうけど、こんな時にはしっかり思い出す。だけど、半助はそれには突っ込まず、夢占いに話を戻してやった。これ以上、この話題はかわいそうにと思ったのだ。
「お妙姉ちゃんはそんなに占いが上手かい?」
「うん!たいていは占えるんだって!」
半助が話題を変えてくれたので元気よく話しに乗った。だって、おねしょの話はちょっと恥ずかしいもの。
「きり丸はどんな夢が見たいんだい?」
お味噌汁をかき混ぜながら聞いてみる。きり丸は張り切ってお箸を振り上げる。この行為はお行儀が悪いから一応、顔だけで「めっ」と言っておく。
「もちろん!お金のたまるって夢!!」
やっぱりお金が重要なきり丸だった。半助としては
「先生とラブラブになれる夢!」
と、言ってほしいところだったが・・・。現実派のきり丸だった。
「ふーん・・・そっかぁ」
ちょっぴり悲しい気分になったのを隠しながらお味噌汁を飲んだ。そんな悲しい気持ちなんて知らないきり丸はゴクゴクとお茶を飲んで
「っぷふぁ!!  でもね、どんな夢がお金持ちになれるのか知らないんだ!」
きり丸のお茶の飲みっぷりはまるでお酒みたいだ。半助は少々、笑いをこらえて
「お妙姉ちゃんに聞かなかったのか?」
きり丸の事だもの。一番にそのことを確認したはずだ。
『どんな夢を見たらお金持ちになれるの?』
と。半助はその場にいなかったが自信を持って断言できる。きり丸は確認したと。
「先に聞いたら駄目なんだって。その事ばっかり考えるから」
なるほど!これは納得できる。確かにその線は濃厚だ。人間とはそういうものだ。
それから、きり丸は夢のために張り切って寝る準備を始めた。
まずはお風呂。お風呂と言っても大きなタライで体を洗ってもらうだけなのだけど。いつもは髪を洗うのかどうかとか、お湯が熱すぎるとか文句も多いことだけど、今日はお利口さんにも自分で寝間着の用意なんてしている。
『ふふふ。かわいいもんだ』
夢占いを真剣に信じてわくわくしている姿はとてもかわいい。普段は生意気で半助だって手を焼く事もしばしばなのだ。それでも、こんな風に占いを信じたり、おまじないを信じたり、お化けを信じたりとかわいい一面をみせるのだ。
「先生、先生だったらどんな夢、見たい?」
タライの中できり丸は半助を見上げる。お風呂のときも黙ってはいられないきり丸のだ。いつだって、いろんな話をする。ゆえに一言多いという事になる事も多いのだけど。
「私はねぇ、きり丸の夢をみたいな」
真っ直ぐな長い髪を洗いながら言う。
「俺の夢ぇ?そんなのつまんないじゃん!起きたらすぐ俺に会うのに夢の中でも一緒なんてさ!」
そんな生意気な事を言うきり丸の顔は嬉しさを隠しきれない。照れているらしい。
「それでも、きり丸の夢がいいんだよ」
半助はそう言ってきり丸の頭からお湯をかけた。これで本日の入浴はおしまい。
「ほら!」
体をタオルでくるんでやり、上がりに乗せる。
「私も入るから、自分で着替えな」
いつもだった「やだ!先生がやって」なんて甘えてくるきり丸だが、今日は早く眠りたいのだ。そのためには、半助にも早くお風呂に入ってもらって、一緒に布団に入ってもらう必要があるのだ。寝かしつけてもらいたいのだ。自分ひとりでも寝る事は出来るが、半助に
「よちよち」
ってやってもらうと一人で寝るよりずっと早く寝れる。それにいい夢を見れる確率が高いのだ。
 半助が奥の部屋に行くときり丸はもう寝る用意万端で布団に転がっていた。
「張り切ってるなぁ」
「先生、寝させて!」
きり丸の張り切りに笑いながらも、隣に寝転び背中をとんとんと始める。
「よちよち、今日はどんな風にするの?」
方法はいろいろある。本を読んでもらうときもあるし、子守唄を歌ってもらうときもある。きり丸の一番のお気に入りは半助オリジナルのお話だ。
「お話がいい!」
「はいはい」
ゆっくりと背中をとんとんとしながら、今日もまたオリジナルといえば聞こえがいい適当な話を始める。適当と言っても一応は考えている。お化けが出てきたりするのはNGだし、水に関する話も好ましくない。そして、勉強に関する話はきり丸からブーイングがでるし、金品の話は余計に目をさえさすので避けたい。こんなに禁止ワードがある中で話を創作するのも難しい。
それでも、半助は毎回、頑張る。
「昔ね、大きな熊がいてね。熊はね人間が大好きでね、よく山から下りてきて人間の生活を見ていたんだ・・・」
「うん、うん・・・」
半助の頑張りをよそにきり丸はいつも途中で寝てしまう。時には半助が残念に思ってしまうときもあるくらいだ。
『今日のオチはよかったのになぁ』
きり丸の寝顔を見ながら今日も最後まで聞いてもらうことができなかった事を思う。
一方、半助の思いは知らないきり丸はすっかりと夢の中だ。今日の夢は熊が出てきた。寝る前に聞いた話は高確率で夢になる。
「おーい!熊ぁ!こっちにおいでぇ」
夢の中できり丸はそう叫んだ。実際に熊に遭遇したらそんな感じにはなれないだろうけど、夢に出てきた熊は絵本の金太郎さんに出てくる熊にそっくりだった。愛嬌のある挿絵は半助のチョイスなのだ。
「いい子、いい子。だっこしてやるよ」
そう言って大きな熊を抱き上げた。
そんな夢だった。
「うん・・・・」
気がつくともう朝で、隣で半助が寝ている。枕元には紙と筆が置いてある。
「???」
夕べ、夢を書き留めるために置いたのだけど、すっかり忘れてしまっている。ボーとする頭で考えると、だんだん思い出してきた。そうだ、夢を書き留めるのだった。
「どんな夢だっけ?」
さっき見たばかりなのに、もう忘れている。
「うん~っとぉ、えぇぇ~っとぉ」
筆の頭をカミカミ、考える。これは半助にいつも注意されることなのだけど。
「噛むから紐が切れちゃんうんだよ」
きり丸の筆はいつも頭についている干すようの紐が切れてしまっている。だから、洗っても干せないのだ。
しかし、カミカミはとっても効果があったようで
「あっ!熊だ!熊!!」
きり丸は思い出した。そして、慌てて書き始める。今度、忘れたらもう思い出せない。
「朝から元気だねぇ」
目を覚ました半助が見たものは嬉しそうに半紙を見せるきり丸。
「くま、だっこした」
しっかりとそう書いてある。
「先生、俺、夢、見たよ!熊の夢!!」
笑顔のきり丸。こんな笑顔を見ていると、熊の夢が占いでいい結果になるといいなぁと思わずにはいられない半助だった。







あとがきです。
今回からセリフだけを太字にするのをやめてみました。
読みやすいかなと思ってやっていたのですが、かえって読みにくいとのご意見をいただきましたので。
なるべく、皆様の読みやすいブログにしたいので、また何かあればお願いします。

今回は夢占いのお話で明日に続きます。
私もかなり夢占いにこった時期がありまして。
真剣に調べたりしていました。
いまでも占いの中では一番信じていますが、それほど熱心ではないです。
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Author:となりのゆっち
忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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