かわいいきりちゃん。
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まだ早い!
「団蔵、どうしたんだ?」
いつものように売り子の為に精を出すきり子ちゃん姿のきり丸。隣ではお手伝いの団蔵。その団蔵が今日は元気が無いのだ。さっきから、ため息ばかりだ。
「ああ、ごめん。昨日さちょっとね」
「昨日、ちょっと何?」

ぶしつけなきり丸。こんなに真正面から聞かれたら正直に答えるのが団蔵の性分なのだ。
「父ちゃんから馬借便がきてさ、能高速にこの春、子供を産ますかって聞いてきたんだ」
「赤ちゃんが生まれるのか?」

きり丸は目を輝かせる。まだ、赤ちゃんの仔馬なんて見たことがない。もし、生まれたら自分も見にいきたいと思っているのだ。
「まだ決めてないんだ。産ませると歳をとるからね」
団蔵は期待に満ちたきり丸に向かってすまなそうに言った。が、きり丸は小首をかしげる。
「決めてないとか、産ませるとか、歳をとるってどういう意味?」
団蔵の言った事がさっぱり分からない。赤ちゃんが生まれるかもしれないという事しか分からない。
「別にまだ孕んだわけじゃないんだ。つけるかどうかって事さ。それにさ、赤ちゃんを産むと雌馬は歳を取るからね」
これも半分以上分からない。
『ハランダってなんだろ?桃の一種かな?つけるって何をつけるんだろ?』
しかし、これ以上団蔵に聞くのはなんだか嫌だった。何も知らないなぁなんて思われるかもしれない。とりあえず、理解できたところだけ話題にする。
「雌馬って能高速って女の子だったの?」
「知らなかったのか?そんなに大きくないだろ?」

全く知らなかった。団蔵のように牡と雌の見分け方なんて知らなかったし、あの風貌の能高速が女の子だったなんて思いもよらなかった。
「だって、あんなに不細工なのに・・・」
「なにも、女の子がみんなかわいいわけじゃないだろ?人間だってさ。それに、きり丸だって男の子なのにそんなにかわいいじゃないか」

団蔵は笑いながら言った。確かに言われてみればそうなんだけど、どう考えても能高速が女の子って気がしない。
「ま、もし、赤ちゃんが生まれたら見せてよ」
「生まれたらね」


団蔵とそんな会話をした週末。きり丸は今度は半助と町へお買い物に来ていた。学校内ではなかなか二人っきりというわけには行かないが、たまにはこうして二人で出かける。たいていはどちらかの生活用品を買いに行くのだ。他の生徒は、皆、家から送ってくるから、それがないきり丸はこうして自分と町に買いにくるしかない。半助はそう思ってこんな時はいつだって二人っきりで朝から出かける。
「先生、お昼はうどんがいいなぁ」
「そっか」

きり丸も二人っきりの買い物は楽しみにしていて、繋いだ手を大きく振っている。そんな風に嬉しそうなきり丸を見るのはやっぱり嬉しい。
「先生、先生」
と、いつもよりずっと話し掛けてくるし、ずっとご機嫌なのだ。
「きり丸、これでいいか?こっちもあるけど?」
「こっちがいい!」

二人でアレコレと選ぶのも楽しくって、いつも帰るのは夕方になるのだ。そんなにたくさん買い物があるわけでもないのだけど、寄り道が多いのだ。そして、寄り道もやっぱり楽しいのだ。
 お昼時のうどん屋できり丸は、この前の団蔵の話を思い出した。
「ねぇ、先生。団蔵の馬ね、赤ちゃん産むかもしれないんだって」
うどん屋の前を馬が通り過ぎて思い出したらしいと半助にはすぐにわかった。
「へぇ、いつ?」
「よくわかんない。団蔵がハランダじゃないってさ。」

半助は飲んでいたお茶を噴出しそうになってしまった。まさか、きり丸の口から「孕んだ」なんて言葉が飛び出してくるなんて。
「先生、ハランダってなぁに?桃の仲間?」
「それはハランキョウ。孕んだってのは」

半助は言いかけてやめた。こんな事はまだ早いのだ。
「ハランダってのは?」
「お前にはまだ早い!!」
「え~!団蔵は知ってたよ!」

きり丸は意味を知りたがったが、半助は教えてくれなかった。
「じゃあ、つけるかどうか迷ってるは?」
今度は確実に噴出してしまった。
「先生、汚い・・・」
「お前がとんでもない事を言うからだろ!」
「だって、団蔵がいってたんだよ?つけるってなぁに?」

馬の話とはいえ、大胆にいうなぁ、若旦那・・・これが、男社会に生きる男の魅力?なんて事を考えながら半助はテーブルを拭いた。
「そっちはもっともっと早いよ。きり丸には」
「団蔵は知ってたよ」

きり丸は同い年の団蔵が知っていたのに自分が知らないのは悔しいらしい。「ねぇ、ねぇ」と半助にしつこく聞いてくる。きり丸の声は大きいものだから店中に響き渡る。25歳の男が連れている10歳の子供に「孕んだ」とか「つける」とか聞いている光景なんて滅多に見れるものじゃない。他のテーブルの客は興味津々に二人を見ている。
「そんなのはおねしょが治ってから教えてやるよ!」
半助はきり丸を黙らせるために言った。きり丸は膨れっ面になって何か言い返そうと思ったが意外な人物にさえきられてしまった。
「きり丸君、おねしょするんだ」
声の主はへっぽこ事務員小松田だった。
「小松田さん!」
きり丸は赤い顔になってしまった。小松田に自分の秘密が知れてしまったのだ。
「あのね、違うよ!おねしょなんてしないからね!!えっとね、だってね」
焦れば焦るほど「してます」と言っているようなものだった。小松田はニッコリと笑って
「平気、平気。小さいうちは誰だってするんだもん。そのうち、しなくなるよ」
「だから、俺はしないんだって。もう大きいから」

きり丸の必死の言い訳を小松田は笑って聞き逃した。一年生のきり丸がおねしょしていてもそんなに驚かない。よくあることじゃないかと思っていた。それでもきり丸は必死で言い訳する。小松田さんの事だから、あっさりと誰かに言うかも知れないじゃないか。
『ついこの間、したくせに。夜中に泣いていたくせに』
きり丸の言い訳を面白そうに聞いている半助。
「おねしょが治ったら何教えてもらうの?新しい忍術?だったら僕も教えて欲しいな」
「違うよ。団蔵の馬がハランダわけじゃないとつけるかどうか迷っているの意味だよ」

言葉の意味を全く理解していないきり丸は堂々と言う。しかし、きり丸の大声に焦ったのは半助だけで、小松田はにっこりと笑って言った。
「ああ、なんだ。それはもう知っているから教わらなくてもいいなぁ」
「・・・・・」
「ええ!小松田さん、知ってるの?」

きり丸は自分だけ知らないのに驚いて、半助は目の前のノンキな事務員が知っているのに驚いた。
『考えてみれば小松田君だって16歳だもんな。知ってて当たり前か・・・』
そのとおりである。10歳の団蔵だって知っているくらいなのだから。普通の16歳の男なら知っているに決まっている。
「ねぇ、小松田さん。小松田さんが教えて」
「こら!きり丸!!」

小松田が知っていると知ったきり丸は質問相手を半助から小松田に切り替えた。その方がいいと思ったのだ。半助は教えてくれそうにないし、小松田なら教えてくれそうだ。
「あのね、孕んだってのは」
きり丸の予想どうり、小松田はすぐに教えてくれそうだ。
「小松田君!!きり丸にはまだ早い知識だよ!!」
慌てて半助が遮る。まったく、この事務員はこれだから。
「ハランダってのは?」
きり丸は半助を無視して話を進めようとしている。半助にかかわっていては、いつまでたっても教えてもらえない。
「土井先生がダメだって。ごめんね」
「え~!!!な~ん~で~よ~!!」
「はいはい、この話はおねしょが治ってからね。おしまい!!」

強引に半助が切り上げてしまった。完全にふて腐れるきり丸。二人の間でオロオロと気を使う小松田。
その後、うどん屋を出るとまた、小松田と別れて買い物に戻った。機嫌の悪い、きり丸に飴を買ってやって誤魔化した。
『こんな誤魔化し方って本当はよくないんだろうなぁ。でもなぁ』
飴を口に入れると機嫌も治る。機嫌が治れば、いい考えが浮かんできた。
『後で小松田さんに聞きにいけばいいんだ!!』
半助さえいなければ、きっと小松田はおしえてくれるだろう。ついでにおねしょの事も口止めしておきたし。
 すっかりと、ご機嫌なきり丸の考えなんてすぐに分かる。
「きり丸、後で小松田君に聞く気だろ?」
「・・・・なんで分かったの?」

「分かるさ。私はお前の恋人で親代わりなんだぞ?愛の力でなんだって分かるんだ」
半助は恥ずかしい台詞をサラッと言った。こんな事ならサラッと言える。しかし、孕んだなんて生々しい事を説明するのは苦手なのだ。もちろん、きり丸に教えるのはまだ早いと思うから教えないのだが、その内、大きくなって聞かれたときは、答えないといけない。なんだか、荷が重いな。
「じゃあさ、先生が教えてよ」
「おねしょが治ったらね。大きくなったらね」
「早く大きくなりたいぜ!」
「いつまでもチビでいろ」

半助の苦手なんて知らないから、きり丸は思いっきり「イーだ!!」として見せた。そんな仕返しの仕方はまだまだ子供で、思わず笑ってしまう。
「いいお顔だな」
そう言って軽く頬を引き伸ばしてやった。きり丸は怒って半助の手を振り払う。そのまま、三歩ばかり前に駆けるが、すぐに振り返って両手を伸ばす。
「ねぇ、だっこ」
「はいはい」

抱き上げながら、そんな日が来るのはまだまだ先だと思う半助だった。












あとがきです。
若旦那の愛馬が女の子かどうか知らないのに勝手に女の子にしてしまいました。
すみません。
そのうえ、きりちゃんに「孕んだ」とか言わしてしまいました。
そして思春期の小松田さんにも言わせてしまいました・・・
このあと、きりちゃんは小松田さんから真相を聞きだせるのでしょうか?
きりちゃんの性格から言って絶対に聞きにいきそうな気が。。。
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この記事に対するコメント

「赤ちゃんはどうやって産まれてくるの?」レベルの話題ですね。確かにきりちゃんにはまだまだ早いですね。
でも、大きくなって今回のこと思い出したら恥ずかしいでしょうね。大きな声であんなこと言ってたなんて・・・^^;。
【2008/02/12 20:18】 URL | セディール #- [ 編集]


そうなんです!分かりにくいかと思ってましたが、分かっていただけましたか!!よかったです。嬉しいです。ありがとうございます。
だれでも一度は気になる「赤ちゃんはどうやって産まれてくるの」の疑問です。
でも、先生じゃなですが本当にそんな事を知るのはまだまだ早いです。「おねしょが治ってから」と言われても仕方ないですね。
ここまで言い切っておいてなんですが、同い年で知っている若旦那って・・・
【2008/02/13 21:05】 URL | ゆっち #- [ 編集]


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忍たまのきりちゃん好きなゆっちが細々としているブログです。
昭和生まれの専業主婦(子供なし)なのですが、こんな私でよければひとつよろしく。
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